上川外務大臣とカ・セネガル経済・計画・協力大臣との会談

2024/01/22 更新: 2024/01/22

1月22日午前、上川陽子外務大臣は、訪日中のドゥドゥ・カ・セネガル共和国経済・計画・協力大臣と会談を行った。両国の協力関係を一層強めることで一致した。

上川大臣は、冒頭、大統領選挙を控える重要な時期に経済団体関係者と訪日したことに謝意を示した。また、能登半島地震に対するサル大統領のお見舞いの言葉に感謝の意を表した。両国が民主主義、法の支配等の基本的価値を共有する戦略的に重要なパートナーであるとし、また、石油・天然ガス開発分野で複数の日本企業が進出していることに触れ、日系企業の同国への貿易・投資拡大を一層促すために、同国におけるビジネス環境の改善を期待する旨を述べた。

カ大臣は招へいに感謝し、能登半島地震へのお見舞いの意を示すとともに、水揚場事業を含む農業、保健、衛生、運輸分野等におけるJICAを通じた支援と日本からの投資に対して感謝の意を表明した。セネガルのエネルギー移行へのコミットメントを示すとともに、石油・天然ガス開発を含め、日本政府及び日本企業とともに取り組んでいきたいと述べた。また、セネガル新興計画(PSE)を説明し、日・セネガル間のビジネス関係の強化を目指したいと発言した。

両国は、法の支配の重要性などの理念を共有し、西アフリカ地域のみならず世界全体の平和と安定のための取組の重要性について一致した。

上川大臣は、ロシアによるウクライナ侵略の影響で、食料安全保障はアフリカ全体及び世界の課題になると指摘し、水産分野における新たな協力案件の署名を歓迎した。また、セネガルが地域の取組を主導し、西アフリカの平和と安定に貢献していることを評価した。そして、西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)やアフリカ連合(AU)の取組を支持するともに、本年のTICAD閣僚会合及び2025年のTICAD 9を見据え、協力関係を一層強化したいと表明した。両国は、2025年の大阪・関西万博を含め、様々な分野で連携を促進することで一致した。

両大臣は会談に先立ち、セネガル共和国に対する供与限度額11.18億円の無償資金協力「ジョアール・ファデュトゥにおける水産物付加価値向上のための改良型水揚場整備計画」に関する交換公文の署名を行った。

セネガルは西アフリカの主要な水産国で、水産セクターは国の輸出総額の約12%を占めている。このセクターの中で、小規模漁業が年間総生産量の約76%を占め、全労働人口の約12%がこの業界で働いている。しかし、水揚げされた水産物の管理体制が弱いため、鮮度や品質の低下が問題になっており、商品価値が減少している。

この協力プロジェクトの目的は、小規模漁業が盛んなジョアール市に、高度な衛生管理が可能な水揚げ場を整備すること。これにより、小規模漁業者が捕獲した魚介類を、付加価値の高い輸出向けの製品として安定して市場に供給できるようになる。結果として、セネガル産の水産物輸出の促進と国内の格差是正に貢献することが期待されている。

清川茜
エポックタイムズ記者。経済、金融と社会問題について執筆している。大学では日本語と経営学を専攻。
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