米空軍のフランク・ケンドール長官は12日、アジア太平洋地域における中国共産党との戦争に備えるため、空軍と宇宙軍の抜本的な組織改変と能力向上に着手すると発表した。中共軍は米軍を仮想敵とした軍備増強を行っており、「私たちにはもう時間がない」と危機感を表明した。
「中国、中国、中国だ」。ケンドール氏はコロラド州で開催された米航空宇宙軍協会の戦争シンポジウムで、中国共産党の脅威について警鐘を鳴らした。
米空軍が掲げる組織改変と能力向上は、人材の育成、即応性の創出、戦力の投射、能力の開発という4つの主要なカテゴリに分類することができる。その中には、即応部隊の編成や専門人材の育成、大規模軍事演習の実施、統合能力司令部の新設、核戦力への支援強化などが含まれている。
およそ65年間廃止していた准尉の階級も復活させる。プログラミングやサイバー戦に関心のある飛行士を育成し、専門人材を増やす。
「米国は紛争を望んでいるわけではない」とケンドール氏は強調した。いっぽう、太平洋における中国共産党の軍事的拡張を念頭に、「われわれは、いつ紛争に発展してもおかしくない永続的な競争に巻き込まれている。もはや紛争を遠い未来のことと考えることは不可能だ」と述べた。
ケンドール氏は一貫して、中国共産党を主要な相手として認識している。2021年には、米国議会の朝食会で「最優先事項は何か」と質問された際、「三つある。中国、中国、そして、中国だ」と答えたという。
「なぜそのようなことを言うのか、と思うかもしれない。私とてセンセーショナルなことが好きなわけではない。しかし、中国(共産党)は少なくともこの20年間、米軍に対抗することを念頭に、軍備を構築してきたのだ」
ケンドール氏は組織改変に際し、一つの命令を下した。
「これらの変革を成功させることが、空軍省およびすべての上級将校の最優先課題とする」
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