今月22日5時30分(現地時間)ごろ、広東省広州市にある橋「瀝心沙大橋」の橋脚にコンテナ船がぶつかり、橋の一部が崩落する事故が起きた。
この崩落事故によって、当時橋の上を走っていた路線バス(運転手のみ、乗客はなし)やトラック、バイクなど5台の車両が巻き込まれて落下。3台はコンテナ船の上に落ち、2台は川面に落ちた。
中国メディアによると、この事故で5人が死亡、3人が負傷したという。橋にぶつかったコンテナ船は、コンテナが積まれていない空の状態だった。
この衝突事故について、当局は「船の乗組員による操作ミスが原因だ」と、事故の責任を「船員にある」と主張している。
しかしネット上で話題になっているのは、コンテナ船が衝突した原因よりも、実に「簡単に」橋が落ちたことへの疑念であった。「この橋も手抜き工事だったのか?」と、橋の品質を疑う声が広がっている。
「それほど速度も出ていない、空のコンテナ船がぶつかっただけで崩落する橋。さすがのチャイナクオリティだ」
「船舶が往来する航路の橋脚部分に防衝設備がないなんて、信じられない」
画像からは、確かに「橋脚部分に防衝設備がない」か、あったとしても十分ではないようにも見える。中国国営テレビCCTVの報道では、事故が起きた橋の防衝設備は「まだ建設中だ」としている。
その一方、上海の官製メディア「澎湃新聞」は、この橋の「防衝設備(それも新型のもの)は昨年4月には建設が完了している」と報じている。
このような官製メディアによる「混乱した報道ぶり」も、この橋の品質に問題があることを側面から示していると見られている。公開されている情報によると、瀝心沙大橋は1994年に建設され、2020年には補強工事が行われているという。
一部の橋の専門家は「この事件の場合、橋の設計、建設、合格の認定を行った側が半分以上の責任を負うことが合理的だろう」と指摘している。
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