このほど、河南省南陽市にある正式にオープンしてからわずか5日しか経っていない新築の生鮮市場「農貿市場」が当局からの命令で解体することになった。
皮肉なことに、市場の「建設許可」も「解体の承認」も現地の「都市管理部門」が出している。
中国メディアの報道によると、この市場は個人投資で建設されたものだ。しかし、オープンから5日後の先月19日、「3日後までに物品の撤去および取り壊しを求める」と「違法建築物取り壊し期限通知書」が現地管理部門から届いたという。
市場の主催者であった王華東さんによると、市場の開催は現地当局の許可を得ており、建設過程においても当局は2回ほど現場視察に訪れた。
また市場を開催する前には、現地における複数の関係当局に対し、「何か問題はないか、ほかに手続きが必要かどうか」について何度も確認をしていた。返事はいずれも「手続きの必要ない」だったという。
つまり、市場を開く前、何ら問題はなかったはずである。しかし、なぜ今になって「違法建設」となったのか、王さんは「訳が分からない」と首をかしげている。
正式な手続きを踏んで、市場はすでにオープンしており、入居したテナントも多くの費用を投じて店を構え、テナント料も支払われたばかりだという。
中国メディアの報道により、この件が注目されはじめると、現地当局は「この件は調査中だ」の一点張りで、市場解体の理由については、いまも「不明である」。
当局からの不可解な解体命令について、インターネット上では「お偉いさんに充分なマネーを渡してないからだろう」「個人出資の市場では地元の特定勢力が甘い汁を吸えないから、ボツにされたのでは?」といった推測が飛び交っている。
同時に「政府当局への信頼は皆無だ」「外国人がいなくなった今、自国民から金を巻き上げるしかなくなったんだ」「もう中国全土は投資に適さない」と嘆く声が広がっている。
共産党統治下の中国では、たとえ正式の手続きを踏んだ合法的な建築や商売であっても、現地の関連当局の「お偉いさん」への「献金」を怠ると、各種の難癖をつけられて妨害を受けるケースが少なくない。
「何かをやる時は、各方面にお金を渡すこと」は中国で商売する際の常識である。
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