昨年、「騒動挑発罪」に問われて逮捕された中国の著名な元人権弁護士・余文生氏と妻の許艷さんの息子・余鎮洋さん(19歳)がこのほど、再度自殺未遂をしたことが分かった。
余鎮洋さんは中共による両親への厳しい弾圧を目の当たりにしたことで、長年うつ病を患い、1年前には高校を中退した。余鎮洋さんは過去半年の間、鎮静剤(うつ病の薬)を過剰摂取して3度にわたり自殺を試みていた。いずれも他の人が引き止め、一命を取り留めたものの、家族は彼を入院治療させる方向で動いている。
匿名希望の情報筋がエポックタイムズに対して明かしたところによると、「現在、家族は北京政府に対して、最低生活保障などを申請しており、承認が下りれば余鎮洋さんは精神病院への入院治療が可能になる。余文生夫婦の財産は凍結されており、余鎮洋さん自身には収入がないため、もし承認が下りなければ、親族は高額な医療費を負担できない」という。
また、「両親が長い間当局によって弾圧されてきたため、余鎮洋さんの自尊心がひどく傷ついており、自閉症的な傾向が見られる。一人にしておくことはできないため、今はおじさんがそばについている」と情報筋は明かした。
法輪功迫害や土地収用、香港民主化運動などに対する法的支援に携わってきた余文生氏は、これまで何度も収監され、拷問を受けている。直近では国家主席の選任に民主選挙導入などを提言したことで、2018年に国家政権転覆扇動罪で逮捕、懲役4年の判決を受け、昨年3月に釈放されたばかりだった。
釈放後も余氏は当局の監視下に置かれていたが、X(旧ツイッター)などを通じて、当局に対する抗議の意をあらわにしている。
昨年4月13日、余文生氏と妻の許艷さんは欧州連合(EU)の高官らの訪中予定に合わせて開かれる会合に向かう途中、北京市内の地下鉄内で私服警察に連行され、そのまま拘束された。
夫婦の逮捕後、複数の警察は余氏の自宅を家宅捜索し、当時18歳になったばかりの余鎮洋さんに両親の刑事拘留の通知書を読み上げたという。
余氏は収監中、2021年度に人権版ノーベル賞と称される「マーティン・エナルズ賞」を受賞している。
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