英国では、偽の郵便切手が大量に流通し、偽造切手が貼られた郵便物を受け取った人が罰金として5ポンド(約960円)を郵便局に請求される事例が相次いでいる。
小売業者や市民からは早急な対策を求める声が上がる中、保守党のイアン・ダンカン・スミス議員はBBCで「中国(共産党)が背後にいる」と指摘した。
英紙テレグラフの調査によれば、中国企業4社が100万枚の偽造切手を印刷し、1枚あたり4ペンス(約165円)で販売していることがわかった。偽造切手はアマゾンやイーベイなどのウェブサイトで販売されており、偽造切手と気づかない小売業者が購入したケースも少なくないという。
偽造された郵便切手は光沢や発色が異なるが、本物と見分けがつかないものが多い。偽造切手の購入をさけるため、郵便局は承認された販売店などを利用するよう呼びかけている。
スミス氏同様、BBCに出演した安全保障専門家のアラン・メンドーサ氏も中国共産党の関与を指摘。「党の暗黙の了解なしに、これほど大規模な偽造が行われるとは考えにくい。 これは明らかな経済戦争だ」と述べた。
いっぽう、在ロンドン中国大使館のスポークスマンは、この主張を「馬鹿げている」と非難している。
日本でも2022年、中国から格安の価格で仕入れた偽造切手を使ったとして、中国籍を含む男女2人が逮捕された。警視庁によれば計1300万円相当の偽造切手が使われた可能性があるという。
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