ファーウェイEVの事故 動画転載したユーザーのアカウント削除される=中国

2024/04/22 更新: 2024/04/22

このほど、中国通信機器大手の華為(ファーウェイ)の新型EVフラグシップSUVの「AITO(アイト、問界) M9」による事故を捉えた動画をシェアしたネットユーザーのSNSアカウントが削除されたことがわかり、ネット上で物議を醸している。

「問題視」された動画は、今月11日に広東省掲陽市で撮影されたものだ。そこには、2人が載った電動バイクをはねた後、道路脇の木やフェンスなどにぶつけてなぎ倒して、そのまま河の中へ転落するSUV車の姿があった。動画につけられた文字によると、事故を起こした車は「AITO M9」だという。

2024年4月11日、広東省掲陽市で起きたファーウェイEV車「AITO M9」の事故。(SNSより)

(4月11日、広東省掲陽市で起きたファーウェイEV車「AITO M9」の事故)

 

動画が撮影された翌日(12日)、あるネットユーザーは「自分はこの動画をシェアしたがためにウェイボーアカウントを削除された」と明かした。このユーザーのもとには、ウェイボーから「あなたが投稿した動画に対し、ファーウェイから権利侵害の苦情が寄せられたため処理を行った」とする内容の通知が届いたという。

ファーウェイEV車「AITO M9」の事故動画をシェアしたネットユーザーのもとに届いたウェイボー(微博)からのお知らせ。「あなたが2024年4月12日に投稿した内容について、ファーウェイから権利侵害の苦情が寄せられたため処理を行った」とする内容。同ユーザーのウェイボーアカウントは削除された。(SNSより)

 

ファーウェイ側の行為をめぐり、SNSには「人為的な操作ミスによる事故なのか、それとも車の故障による事故なのか知らないが、ファーウェイが事故動画の封殺に乗り出したことからみて、車の故障による事故である可能性が限りなく高まってきた」と推測する声も少なくない。

ほかにも、「事故を起こしたのが米テスラであればネット上がその話題で埋め尽くされるだろう。しかし(中)国産ブランドだと口封じに遭うだけ」「愛国ブランドに文句言うのは違法だ」「たかが一企業だ、それでも人民の口を封じる力がある」といった嘆きの声が広がっている。

なかには、ファーウェイによる「口封じ」の教訓として、「今後EV買うならやはりテスラを買うべきだ。何か問題が起きれば、国を挙げて大々的に報じてくれる。しかし、国産メーカーだとSNSに投稿することすらできず、泣き寝入りするしかない」と書き残す人も。

相次ぐ品質問題めぐる指摘

今月7日にも河南省洛陽市に住む女性が30万元(約640万円)で購入した新品のファーウェイのEV「AITO M7」が、納車から3週間ほどで充電できなくなったことがわかった。充電のほかにも異音やオイル漏れなどの品質問題も発生しているが、女性が何度もアフターサービスに掛け合っても未だに解決解決に至っていないという。

昨年12月に発売されたM9については、「1000万元(約2.13億円)以内で買えるなかで最高のSUVだ」とファーウェイが提言していたが、M9の品質問題が相次いで指摘されている。

ファーウェイは中国当局がコントロールする、公認の「愛国ハイテク企業」である。対外的には中共のための情報収集や浸透なども行っているため、近年では米国をはじめファーウェイ「封じ込め」の動きが加速している。

スマホから車、ファーウェイブランドであればどんな製品も「愛国」のレッテルが貼られ、質疑は許されない。

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
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