このほど、中国共産党が指揮する武力装置である「人民解放軍(中共軍)」の宣誓文にある「人民に奉仕する」が「党に奉仕する」に変更されたことを示す動画が中国のSNSで拡散されて物議を醸している。
中共軍の集団での宣誓場面を捉え動画のなかで、軍人らは次のように一斉に叫んでいた。「中国共産党の指導に服従し、全身全霊中国共産党に奉仕する」ーー。
中共軍が2018年に公表した兵士の入隊宣誓文は「中国共産党の指導に服従し、全身全霊人民に奉仕する、命令を服従し、職務に忠実であり、規律を死守し、秘密を守る」であった。
つまり、「全身全霊人民に奉仕する」の「人民」が「党」に変わったのだ。
中国の軍隊は中国共産党の党衛兵であると捉えられているが、それでも建前では「人民に奉仕する」という繕いがある。
その奉仕する相手の「人民」が「党」に変わったことをめぐり、ネット上では皮肉が殺到している。
「もうこの際、なりふりなど構わっていられなくなったのか」
「その本性はもう知れ渡っているから偽装する必要がなくなったというのか」
「ようやく本音を言ったね」
なかには、「次はなにか?『全身全霊習主席に奉仕する』と叫ぶのか」とのコメントも寄せられている。
実際、中国の軍隊は昔から共産党の指揮で動いてきた。昨年、習近平がロケット軍を粛清する際に軍機関紙「解放軍報」は「中国の軍隊はどうであるべきか」という点について公然と要求する社説を掲載している。
それによると、「軍隊は(中国共産)党の政治的任務を遂行する武装集団である。そのため、党に対しては絶対的な忠誠を尽くさなければならない」と記されていた。
社説ではさらに、「全軍の兵士は『二つの確立』を深く理解すること」も特別に要求していた。
「二つの確立」とは、習の党の核心としての地位と、習の政治思想の指導的地位を確固たるものにすることである。
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