中国で多くの飲食店が廃業する一方で繁盛する新商売

2024/05/09 更新: 2024/05/09

中国の飲食業界は閉店の波に見舞われ、昨年だけで100万店舗以上が営業を停止した。その一方で、飲食店から出る中古機器を買い取る「飲食業のリサイクラー」と呼ばれる業者が好調で、注目を集めている。

企業調査のデータによると、2023年には中国の飲食業界で廃業した企業の数が126万5千件を超え、前年比で2倍以上の増加を記録した。さらに、今年の第1四半期には約46万店舗が閉店し、前年同期の14万店舗と比べて約3.2倍の増加となっている。

中国のSNS上では、開店後わずか3か月で閉店する飲食店の話題がしばしば見受けられる。

串料理店のオーナー

「100万円以上を投資して開店した串料理店だったが、開店から3か月も経たずに閉店せざるを得なくなった」

家庭料理店「詩三娘」のオーナー

「3か月で50万円の損失を出してしまって、今日、閉店することにした。もうこれ以上は続けられない」

 

ミーシャン(米線)料理店のオーナー

このミーシャン料理店は開店してから半年も経たないうちに閉店に追い込まれた。非常に残念だ。向かいにあった麻辣湯の店も閉店した」

 

多くの飲食店が閉店する中、新しいビジネスモデルが出現した 。それは「飲食業のリサイクラー」と呼ばれるものだ。飲食店から出る中古の機器を集め、修理してから再販することで収益を上げている。

中古機器の回収業者

「2019年の時点では、私たちが回収する機器のうちチェーン店のものは約10%だった。しかし、今年に入り飲食チェーンの閉店が増えたことで、その割合が60%まで跳ね上がった」

易法通聯の共同創業者、葉暁青氏はこう述べている。

「今年、飲食業界で利益を上げられるのは、中古機器を買い取る業者だけだ。何万ものフランチャイズ店が存在しても、実際に利益を出しているのは数百店だけだ。では、残りの店舗はどうなるのか?それは、大規模な中古品市場が形成されていることを意味している」

時事評論家の李林一氏は、消費の低迷が原因で飲食業界が大量に倒産しているとの見解を示している。

「経済が落ち込むと、消費の低迷が避けられなくなる。そして、もう一つ重要な要因はパンデミックの影響だ。このために多くの中国人が命を落とした。中共がこれらのデータを隠しているのは、もはや明らかな事実だ。不動産市場を見ても、同じ状況が見受けられる。人口が大幅減少し、住宅は売れない。レストランに、お客さんは訪れるのか?」

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