中国の李強首相の豪州訪問のため、同国の在オーストラリア大使館は「歓迎団」を雇うなど「万全」の準備を整えて臨んだ。たが、サクラ団員は「仕事」後、「中共は金を払わず、約束を守らなかった」と非難している。
15日に豪州に到着した李強は17日、豪州首都キャンベラでアルバニージー豪首相と会談した。
この日のイベント終了後、中共が雇った「歓迎団」の民衆役者たちは、会場で抗議を行ったデモ隊と同じバスに乗り合わせることになった。そこで、一部団員は延々と「文句」を言っていたという。
以下がその「文句」の邦訳となる。
「当初は金を出すと言ってたのに、後になってやっぱり出さないだとよ。後のことは、おのおののコミュニティで解決しろって言われただって、こんなこと、解決できないわよ。ほんと、信じられない、当初は交通費も宿泊代も全て出すと言っていたのに、昨日なんか、夜9時になってようやくメシにありつけたんだ。足も痛いし、死ぬほど疲れたよ、本当に最悪だ…」
(中国大使館を非難する歓迎団の役者)
この群衆役者の華人のたれる「文句」を動画に撮影した市民によると、この人と別れる時「中共大使館はろくでもないことをする」などと怒り心頭で罵っていたという。
サクラ団員の文句を最後まで聞いた動画撮影者はこのように皮肉った、「君たち(中共)にはもう本当に残された信用は少ないね、こんなことでさえ群衆を騙すなんて」
今回の李強の「豪州の旅」はあまり順調でなかったようだ。16日に訪問したパンダのいるアデレードの動物園では、「パンダより人権が大事、中共のパンダ外交に屈するな」と豪州政治家に呼びかける数十人の抗議者に遭遇。
翌日、アルバニージー豪首相と会談を行うために訪れた議会議事堂(キャンベラ)前でも多くの抗議者に出くわした。
チベット族、ウイグル族、香港人など大勢の抗議者は議事堂前の芝生で親共グループと激しく対峙し、何度も衝突を起こすなど、現場では緊張を極めていた。
いっぽう、法輪功学習者はキャンベラの主要道路の両側で平和的に抗議を行った。
豪州訪問の収穫として、李強は「豪州との関係改善をアピール」しているものの、「両国間の緊張はなお続いている」とブルームバーグが評した。
サクラ民衆
昨年11月、アジア太平洋経済協力会議(APEC)に出席するため、中共首魁・習近平が米サンフランシスコを訪れた際も、現地の中共領事館はまたしても金の力で大勢の「サクラ役者」を雇っていた。
「無料旅行」や「日給」をエサに、金銭の力を使って在米の華人を誘致し、指定場所へ行かせて、中国国旗を振らせたのだが、報酬の違いで「仲間割れ」していたことが判明。
「(彼らは)イベントの組織者が横領して、自分たちへの日当に手を付けたのではないか」として「(約束通り)金を払わないなら、反対陣営に立って横断幕を広げるぞ」と捲し立てる人まで出てくる始末だ。
このように、「サクラ民衆」用の出演ステージは、海外における中共要人の歓迎に限らず、中国国内でも中共首魁をはじめ、高官の視察にも重宝されている。ただし、官製メディアが報じる画像や動画に登場する「首魁が接触した」とされる「民衆」はいずれもカネで雇われたただのサクラでなく、政治的審査をクリアしている「軍関係者」である。
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