息子の命と引き換えに助けられた母親は言う。「突然村を襲った洪水が腰部にまで増水するのにかかった時間は数十秒だった」
このほど、中国安徽省を襲った洪水により母親を助けて流されて死亡した男性のニュースが報じられた。
20日、安徽省黃山市歙(しょう)県の男性・項さん(48歲)は急激に村を襲った洪水で立ち往生していた母親を屋上へと助けた後、洪水に飲み込まれて死亡したことがわかった。15歳の娘が残された。
中国メディア「極目新聞」が報じた。
20日朝、項さんの母親は豚のエサやりに家の近くにある豚小屋に行ったら、突然洪水が襲ってきた。水位はわずか数十秒で腰部にまで上り、女性は立ち往生した。
すると、その息子が泳いで助けに来た。隣人の家の屋根まで助け起こした後、項さんは自宅目指して泳いで戻ろうとする途中、水位が急増し流れも激しくなり、水に飲み込まれて流されていった。
項さんの遺体は後に発見され、村民によると、「項さんは水にはよく慣れていて、体格も良く、健康だった」という。
現地当局によると、地元にある24のダムのうち20のダムが制限水位を超えたという。また、現地の官僚は、「20日の洪水発生時、項さんの自宅付近の河の水位は、8分の間に数メートルも高くなった」と明かしている。
項さんの悲劇が報じられ、SNS上では「いくら暴雨でも、これほど急激な水位上昇はありえない、悲劇を起こした洪水はダム放流が原因だ!」「洪水は天災ではなく、人禍だ!」とった罵声と嘆きがあふれている。
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