最近、中国南部で発生した洪水により、湖南省、安徽省、江西省などで深刻な水害に見舞われており、被災地では水や電気が断たれている。
甚大な被害を受けた地域の一つである湖南省平江県では、町全体が水に飲み込まれ、テレビ局も浸水。警戒水位を77メートル超える観測所(2日、湖南省汨羅江幹流平江站)もあるなど、県内の河川は70年来の最高水位を記録した。
深刻な水害をもたらした洪水が起きた原因について、連日のように降り続いた大雨による河川の水位上昇に加え、「予告なしのダム放流が行われた」と被災民は訴えている。
平江県の被災民の王さん(女性)は3日、NTD新唐人テレビの取材に対し「予告なしのダム放流だった」と訴えた。
「水が来るのが早すぎて、貴重品しか持っていけなかった、多くの家や車が水に浸かった」
「ここでは6月18日からずっと暴雨警報が発令されていたが、ダム放流の話は聞いていなかった。町は水が入ったときから停電し、水は家屋や車を飲み込んだ」と王さんは明かした。
別の被災民の白さん(男性)も「当局は、夜のうちにこっそりとダムの水を流した。そのせいで流された人もいる、正確な数は統計がないからわからないが、一部の住民はすでに遺体で発見されている」と話す。
同じく甚大な被害を受けた同省懐化市の沅陵(げんりょう)県の被災民の趙さんも次のように訴える。「政府はいつも、下流にある工業都市・常徳を守るため、懐化を見捨てるんだ」
「約束されていた数年前の弁償はいまも果たされていない」
3日午前の時点で、中国で2番目に大きい「淡水湖」である湖南省「洞庭湖」は依然として警戒水位を超えており、同省内では多くのダムで継続的な放流が行われている。被災地の状況は深刻化する一方である。
南部洪水の被災状況について、当局は数百万人が被災し、60数人が死亡と公表している。
しかし、中共当局は災害や大きな事故が起きるたびに一貫して、被害情報の隠蔽を行ってきたため、今回の洪水災害も死傷者数や被害状況は「公式発表をはるかに上回る可能性があるのではないか」、「隠蔽がまた行われたのではないか」と疑う声が根強い。
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