ホンダは、中国市場の厳しい環境に対応し、ガソリン車の年間生産台数を約29万台削減することを発表した。この動きは、日本の自動車メーカーが、中国で直面している価格競争の激化と電気自動車への市場需要の変化を反映している。
ホンダは7月25日、販売不振により、中国におけるガソリン車の年間生産台数を約29万台削減すると発表した。これは、ホンダが中国で生産を縮小する初めてのケースである。
同社の広報担当者によると、10月と11月には、広汽集団および東風汽車集団との合弁による工場での生産が一時的に停止されることになる。
ホンダと広汽集団が共同で運営する合弁工場は約20年前に稼働し始め、ホンダアコードのセダンを生産しており、年間の生産能力は5万台に達している。
11月より、ホンダが東風と共同で立ち上げたもう一つの合弁工場の生産を一時的に停止すると発表した。この工場の年間生産能力は24万台である。
現在、ホンダの中国における年間生産量は149万台に上るが、今回の生産削減によって、約20%の生産能力が減少する見込みである。
ホンダは今年の後半に、広汽および東風と共同で、2つの新しい電気自動車の合弁工場を稼働開始する予定である。これにより、年間の生産台数は144万台に回復する見込み。
広報担当者によると、これらの変更は中国における生産体制を最適化し、現在直面している厳しい市場環境への対応を目的としている。
中国自動車市場での日本メーカーの挑戦
最近の動きは、日本の自動車メーカーが、中国市場で直面している困難な状況を示している。価格競争の激化と中国製EVの増加により、日本自動車メーカーの自動車の販売台数は、大幅に減少している。
他の日本の自動車メーカーも、中国での事業構造を見直している。
今年の6月、日産は、江蘇省常州市にある最先端の工場を閉鎖すると発表した。この工場は年間約13万台を生産しており、中国全体の生産量の約10%を占めている。
昨年、三菱自動車は中国での生産中止を発表した。
3月には、日産とホンダが、自動車ソフトウェアの共同開発やEVバッテリー技術に関する協力を目指す戦略的パートナーシップを、模索していることが明らかになった。これは、両社のコスト削減に寄与すると考えられている。
日本製自動車の中国における売り上げが減少している状況を受けて、新日本製鉄は中国での生産規模を大幅に削減する計画を立てている。
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