新型サル痘 タイとフィリピンで報告が相次ぐ

2024/08/23 更新: 2024/08/23

世界保健機関(WHO)がサル痘に対する国際的な公衆衛生上の緊急事態を宣言してから1週間、タイフィリピンで新たな症例が確認され、アジア各国が感染拡大の防止策を強化している。

タイとフィリピンで新型サル痘の症例が相次いで報告され、アジア各国が警戒を強めている。WHOによれば、新たに確認された「変異株1b」は特に感染力が強く、既存の対策を再検討する必要がある。

タイの疾病管理部門は、66歳のヨーロッパ人男性が新型サル痘に感染した疑いがあると報告している。この男性はアフリカからの旅行者であり、タイへ入国後に症状が現れた。現在、患者と同乗していた43人の追跡調査が行われており、感染が拡大する可能性に備えて警戒が強まっている。

一方、フィリピンでは33歳の男性がサル痘に感染したことを確認した。この男性には旅行歴がなく、どのように感染したのかは明らかにされていない。フィリピン保健省は、公衆の健康を守るため、Facebookを利用して情報を発信し、新型コロナウイルスの流行時に実施された衛生慣行の継続を呼びかけている。

タイとフィリピンの報告を受け、他のアジア諸国も警戒を強めている。インドネシアは入国者に対する検疫措置を強化し、マレーシア保健省は国際的な入国ポイントでの監視を強化し、感染地域からの旅行者に対して21日間の健康自己監視を求めている。

世界保健機関は、サル痘の典型的な症状として発疹、痛み、リンパ節の腫れ、発熱などを挙げており、感染者の多くが治癒する一方で、一部の患者は重篤な症状に苦しむ可能性もある。アジア各国はこれまでの対策を見直し、さらなる感染拡大を防ぐための準備を進めているという。

趙鳳華