中国共産党(中共)が化学製品輸送専用のタンクローリーで食用油を運んでいた問題を、隠蔽しようとした疑惑が浮上している。
新京報は先月、同じタンクローリーで食品用と化学製品用の液体を運送しており、タンクが未洗浄という、中国のタンクローリー運送業界の長年の問題を報じた。2015年と2017年にも、メディアはこの問題を何度も取り上げている。
最新の報告によると、この問題は例外的な事例だとされているが、ネット上では不満の声が拡がっているとの声が強まっている。実際には、今回の問題が氷山の一角にすぎないとの指摘もでている。
8月25日、中共の公式メディアはタンクローリーでの食用植物油運送に関する調査結果を発表した。複数の機関が協力して行った調査では、化学製品用と食用油が同じタンクで輸送されていたという問題は、報じられた2台のタンクローリーだけであるとの結論が出され、全国的な調査では、他にこのような問題は見つかっていないと報告された。
この報告が発表され、インターネット上ではすぐさま、公式発表に対する疑問の声が上がった。
「本当に問題は、その2台のタンクローリーだけだったのか?」
「記者があまりにもすごすぎて、沢山ある中で、よく問題の2台タンクローリーを特定できたね!」
「皆は納得しているのか?」といった、皮肉を含んだコメントが寄せられている。
華人人権弁護士、吳紹平氏はこの問題はそもそも政府が、引き起こしたものだと指摘し、政府が出した報告について
「市民に対して、公平で合理的な情報を提供する目的で作成されたものではない。真実が明らかになると、問題が国全体に及んでいることがわかり、その結果、これら企業の製品は市場での販売が困難になるだろう。購入をためらう人が多くなるため、中共の利益にも影響が出る。さらに重要なことは、中共の高官がこの問題に関与しているということだ」
中共の公式発表によると、問題の車両を所有する物流会社やオーナー、ドライバーに対して罰則が科され、7つの企業には行政措置が取られた。その中には、中国儲粮油脂有限公司(天津)に課された286万元(約5816万円)の罰金も含まれている。
ネットユーザーの間では、関連するドライバーが刑事罰を受けたについて、「濡れ衣を着せられている」ようだとの声が高まっている。また、穀物油会社に対する政府の処分は影響が限定的だとの味方が広がっているようだ。
呉紹平氏は、「問題の本質は、これらの企業、特に食用油関連の企業を保護することにある」とのことだ。中国の食用油企業の多くは国有企業か上場企業であり、裏では、中共の上層部が絡んでいるため、厳格な調査が実施されず、結果としてこんな問題が見過ごされがちなのだ」と述べている。
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