真夏日が続くなか、中国で「またしても」降るはずもないのに雪が降った。
今回降った場所は、気温40度以上の猛暑日が続く「火焔山」と呼ばれる重慶市だ。
最近、重慶市で「雪や雹が降っていた」ことを示す動画はすでに多くの現地ユーザーがSNSに投稿しており、「夏に降る雪」の動画は一部中国メディアも取り上げている。
一部のネット投稿動画によれば、5日午後6時30分ごろ、重慶市墊江県の高速鉄道駅で雪や雹が降った。現地市民によると、雪は「限られたごく一部の地域のみ」で、動画撮影された所でしか降らなかったという。
しかし、これらの「反論できない数々の映像」を前にしても、現地の気象当局は8日、「最近、雪が降ったという状況は確認していない」と主張している。
当局の主張に、ネット上では「現に雪を撮影した動画がたくさん投稿されているのに、確認していないとはどういうことだ? 気象部門は重大な職務怠慢だ」とする非難の声が殺到している。
関連動画に寄せられたコメントのうち、「どんだけの怨念が積もってるんだ?」とするコメントには多くの「いいね!」がついている。
というのは、「夏に降る雪」、「六月飛霜(雪)」という言葉を聞くと、中国人であれば、誰でもすぐ脳裏に浮かぶ言葉、それは「冤罪」だからだ。
この頃、中国各地で相次いで「夏雪」が確認されており、当局は神経を尖らせている。
「六月飛霜(雪)」
中国では古来から「夏に降る雪は冤罪の意味を示唆しており、亡霊の怨念や慷慨悲憤(こうがいひふん・社会の不義・不正や自らの運命などに憤りをおぼえ、嘆き悲しむこと)が神を動かしたから」といわれている。
そのため、この異常気象を「神の怒り」や「不吉の前ぶれ」「天下大変の前兆」とする民間の言い伝えもある。
昔であれば、このようなめったに見られない現象が起きた時には、中国メディアも「夏の奇景」として浮かれた報道をしていたが、それが「常態」と化した今、国民が動揺するのを恐れているのか、あまり報道しなくなった。
それに現在の状況は、金融崩壊、不動産壊滅、経済破綻、失業者の爆発的増加、疫病の蔓延、異常気象による農業への打撃など、どれをとっても国の根本を揺るがす大問題を抱えている。
そうした切迫した状況に加え、自殺者の急増や無差別殺人など社会への報復事件が頻発し、怨念が渦巻き、邪気があふれるなか、「冤罪」や「怨念」を想起させる「六月飛霜(雪)」が「検閲対象」となった。SNSに投稿された関連情報の殆どは、封殺に遭っている。
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