宣伝広告のなかに「アメリカの民主主義制度」を称える内容があったとして、中国の旅行会社が当局によって重い罰金を科されたことがわかった。
専門家は「財政難にあえぐ政府が企業から金を巻き上げるための口実に過ぎない」と指摘している。
今回、目を付けられて、運悪く罰金を科されたのは、主にアメリカ向けの旅行を提供する旅行会社「北京大用国際文化発展有限公司」だ。問題視された宣伝広告は4月21日に、中国SNSウィーチャット(微信)の公式アカウントが発信したもので、広告自体は、アメリカへの旅行や留学を勧める内容のものだった。
問題視された広告はすでに削除されており、合計閲覧回数はわずか186回だった。
ネットに流出した北京市市場監督管理部門が発行した行政処分告知書によれば、問題視されたのは、同旅行会社が広告のなかで「米国議会議事堂は、アメリカの民主主義制度の荘厳と権威を体現している」と書いた一文である。「これら内容は誤解を招くものであり、広告法に違反している」として同会社に20~40万元(約400~800万円)の罰金を科した。
この件について、NTD新唐人テレビの取材に応じたアメリカ在住の中国人権弁護士の呉紹平氏は次のように指摘をする。
「問題視された広告には社会秩序や道徳に違反する内容は1文字もなかった。アメリカの民主主義について言及しただけで違法とするのは実に馬鹿げている」
「『民主』という2文字が違法だというならば、『社会主義核心価値観』に示された24字のなかにも、『民主』の2文字が含まれているのではないか。中国共産党(中共)当局の権力乱用には呆れたもんだ」
補足=「社会主義核心価値観」とは、「富強、民主、文明、和諧(わかい)、自由、平等、公正、法治、愛国、敬業、誠信、友善」という中共が定めた12単語、24文字からなるスローガンである。
「要するに、財政難の中共当局は企業から金を巻き上げるための口実を、無理にでも作ろうとしているということだ」
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