社会問題 建物の安全性を懸念した住民たちは「家に帰れない」

深い亀裂出現の集合住宅 当局の「住んでも問題ない」主張に住民は懐疑的=中国

2024/09/11 更新: 2024/09/11

湖北省武漢市で8日午後、ある集合住宅の建物が突然大きな音を立て振動し、その後に建物の外壁やガレージの壁、住民宅内の壁などに深い亀裂が入った。なかには、数メートルに及ぶ深い亀裂も確認されており、建物の安全性を懸念した住民たちは家に帰れないでいる。

素人目だが、「いつ倒れてもおかしくない」と直感してしまう建物のひどい現状を撮影した動画は数多くSNSに出回っており、「事件」は世論の注目を集めている。

 

(問題の建物)

動画のなかで、撮影者の住民は「ほら、みてこのドアはもう閉めることができなくなった。亀裂はどんどん広がっている」と説明した。

別の住人は「その日の昼寝中に突然、爆発音のような大きな音が聞こえてきた、とても怖かった」と振り返っている。「1階の住民が自分の家の壁に亀裂が入ったと言っていたのを聞いた。そして午後8時になると、再度大きな音が聞こえてきた。そして音と共に建物全体が揺れたんだ。この事態にマンションの住民全員が怖くなって家に留まる勇気がなくなり、みんなマンションから逃げ出したよ」と同住民は明かした。

建物に亀裂が入った翌日、現地コミュニテイの職員はメディアの取材に対し、「建物はおそらく大きな問題はないだろう。耐力壁が折れたというのはデマだ」と主張している。

現地の土地整備局などの部門の職員も「建物は倒壊の危険性はない、今のどころ居住に問題はない」としている。建物の壁に亀裂が入った原因については、「近くで施工している汚水処理工事のせいである可能性が大きい」という。

しかし、「住んでも問題ない」という当局者の主張に、住民たちは懐疑的だ。

「いまも亀裂はどんどん広がっている、車庫の耐力壁は間違いなく折れたんだ、当局は不作為だ」と非難する住民の声は高く、「怖くて逃げ出したよ、あの家に住む勇気などない」という住民も少なくない。
 

(問題の建物)

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
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