このほど、中国のSNSでまたしても「手抜き工事」の話題が熱い。
最近、中国河北省廊坊市にあるマンションの高層階に、エアコンの室外機を設置しようとしていた作業者は、この「おから工事」のせいで、危うく事故になるところだった。
この業者は中国メディア「映像網(9月11日付)」の取材に応じており、それによると、当時、20数階に住む高層マンションの住民からエアコン設置工事を請け負った。安全ロープを使ってビルの外壁(高所)で室外機設置の作業を行う途中、ビル外壁に取り付けられたエアコン室外機置き場の「正面たて格子」に手をかけたとたん、簡単に外れてしまったという。
本来とれるはずがないところが外れてしまったため、この作業者は空中でバランスを崩した。当時の様子を映した動画を見ているこちらまで、ヒヤッとする危険な瞬間であったのは間違いない。
「自分は幸いにも、安全ロープを2本も着けていたおかげで、なんとか落下事故にならなかった。もし普通の施工業者が使うようなここまで丈夫でないロープ1本だけだと、あれで落下していたかもしれない」と同作業者は振り返った。
危うく、事故になったこの「事件」関連の動画はSNSで拡散され、中国のおから工事(手抜き工事)の話題が再度持ち上がり、嘆きが広がっている。
(手をかけたとたんに簡単に外れたエアコン室外機置き場の正面たて格子)
利益追求が生み出した危険住宅
中国では、住宅の品質や企業の社会的責任よりも、はるかに利益追求を優先する建築業者が多く、豆腐のおからのように、手で砕けるほどもろい「おから工事(豆腐渣工程)」と呼ばれる手抜き工事の住宅が、以前から大きな社会問題となっている。
その「品質のひどさ」は、まさに桁外れである。排水管の亀裂、天井や電気系統の欠陥、壁のひび割れ、あらゆる所からの水漏れ、さらにはガラス窓が「窓枠ごと外れる」など、とても新築物件とは思えないようなものばかりだ。
なかには「指一本で穴があく」という石膏ボードのようなコンクリート壁。足で踏むと「砕ける」階段。さらには「鉄筋代わりに竹を使用した住宅」など、とても信じ難いものまである。
(中国の「おから工事」の数々)
今年3月も、中国の小学校で階段の手すりが外れる事故が起きている。強固であるはずの手すり、しかし、この時はそばで遊んでいた小学生が友達に押されて接触しただけで、簡単に抜け落ちた。手すりが崩落した箇所に出来た大きな穴にそのまま男児は堕ち、頭蓋骨を3分の2も切除する大手術を行う羽目になった。
(小学校の階段で、手すりの下部に開いた大穴から生徒が落下した)
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。