中国では10月1日から大型連休(今年は10月1~7日の7連休)が始まる。
しかし、連休前から中国の国内線航空券の価格は急落しており、「半額以下」に値下げされる路線が続出。それでも、ネット上では「航空券が安かろうが、旅行するだけの余裕がない」とする嘆きの声が広がっている。
そんななか、「消費を刺激しよう」とする当局を嘲笑し、庶民の心の声を表す内容の動画が、中国SNSで炎上し、共感を呼んでいる。
以下にその一部を紹介する
(一部邦訳)
「『連休に旅行すれば消費を刺激できる』と専門家はいうが、しかし、どうやって刺激するというんだ。私の所持金だと高速道路に入る前に使い果たしてしまうよ。どうだ、刺激的だろう?」
「わずか2桁の預金を守るために6桁のパスワードを使っているんだぜ、十分に刺激的ではないか?」
「月収3千元(約6万円)でギリギリなんとか生き延びている人もいるんだ。もし毎月3万元(約60万円)をくれるのならば、ネズミが私の家に来たら、お土産に米俵を1つ持たせてあげようではないか。刺激的だろう?」
「私は弱者層だが、バカではない。他人から刺激されなくても金があれば使い道はいくらでもある。しかし、お金を稼ぐ方法がないんだ。消費を刺激とか言ってないで、なぜ収入を刺激してくれないのか?」
「大便が出ないとき、それは必ずしも便秘とは限らないんだ。何も食べてないから、胃の中に何も入って来ないから大便が出ない可能性だってあるじゃないか。私に足りないのは刺激か? いいや、私に足りないのカネだ」
(「消費を刺激? そんなこと無駄だ、私に足りないのは刺激ではなく、カネだ」の当局皮肉動画)
ここ数年、中国経済は衰退への下り坂を転げ落ちており、不動産市場は低迷し、外資は我先にと撤退した。その結果、各業界で倒産の嵐が吹き荒れ、失業率は高止まりしたままだ。
「どうやって節約しようか」と給料を減らされた人はありったけの知恵を絞り、失業者たちは「明日をどうやって生き延びるのか」について悩む。
「貧乏旅行」「貧乏定食」「貧乏プラン」など、「貧乏」の字がつく「消費」は人気のご時世に、「旅行」という贅沢品をやめた人も多い。
前海開源基金管理のチーフエコノミスト・楊徳龍氏は7月にこのように指摘している、「消費は決して刺激によってもたらされるものではない、それは市民の所得を上げることによって押し上げられるものだ」
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