社会問題 各地の景勝地で「事故」や「事件」

【動画多数】大型連休中の中国 各地で「忘れられないバカンス」

2024/10/06 更新: 2024/10/06

大型連休中の中国、せっかくのバカンスが「楽しい思い出」になるか、「一生忘れられない悪夢」になるかは、選択次第、いや、運次第なのかもしれない?

著名な観光地は旅行者で溢れかえり、まさに人山人海(黒山の人だかり)である。

 

(大型連休中の中国各地の観光地の混雑ぶり)

 

「モンスタートラック」に轢かれる女児

大型連休初日(1日)、内モンゴル自治区・アルシャー盟の景勝地で、観光客を載せて砂漠を走っていた「モンスタートラック」が路上で砂遊びしていた女児(7歳)を轢いた。

現地当局によると、女児は足を骨折するケガを負い、現在事故が起きた場所は営業停止になった。

(現場の様子、2024年10月1日、内モンゴル自治区・アルシャー盟)

 

ロープウェイ故障、客がゴンドラから「転落」

同日、浙江省楽清市にある名山「雁蕩山(ヤンダンサン)景区」でもロープウェイ事故が起きた。突然故障したロープウェイのゴンドラは強風によって扉が開き、乗っていた女性(34歳)が転落して負傷した。

ゴンドラ内に残った女性の子供は大泣きし、現場は一時騒然となった。現在、事故が起きたロープウェイも運休している。

なお、「雁蕩山」は中国の観光地の等級のなかでも最高級レベルと認定されており、「強風だからといって運行中に扉が開くなんてとんでもない! 怖すぎる!」と衝撃を受けた人も少なくない。

(現場の様子、2024年10月1日、浙江省楽清市「雁蕩山景区」)

 

「魚に餌付けしないでくれ」

湧水で人気の観光地、「趵突泉(ほうとつせん、山東省済南市)」では池の鯉が観光客による餌付けで死亡する「事件」が発生した。

SNSに投稿された動画のなかには、死んだ鯉を手に持った景勝地の管理員が、「これ以上魚に餌をやらないでくれ、食べ過ぎてすでに何匹も死んだんだ」と呼び掛けるシーンがあった。

(「食べ過ぎて死んだ」という鯉を手にして、「これ以上魚に餌をやらないでくれ、食べ過ぎてすでに何匹も死んだんだ」と呼び掛ける景勝地の管理員、2024年10月4日、山東省済南市の人気の観光地「趵突泉」)

「払い戻ししろ!」

連休中、複数の景勝地では「野外での立ち往生」や「長すぎる待ち時間」に不満が爆発した観光客の「チケットの払い戻し」を求める声が響き渡った。

3日、江西省上饒市にある世界自然遺産「三清山」では、下山時に大渋滞が発生し、寒風の中で大勢の観光客は何時間も立ち往生を余儀なくされた。この悲惨な状態に怒る観光客たちが集団で「チケット代を払い戻せ」と声高に叫ぶ動画がSNSに流れている。

画像(左)は大混雑の「三清山」、2024年10月3日。画像(右)は大混雑の「張家界森林公園」(SNSより)

 

このほか、湖南省の張家界市にある「国立森林公園」でも同様の光景が見られた。中国メディアによると、観光客らが集団で「払い戻し」を求める理由は、景勝地のロープウェイ、エレベーターの待ち時間があまりに長かったため(約2〜3時間かかった)だったという。

景勝地で発生する大渋滞のニュースをめぐっては、「入場制限をなぜしないのか? 受け入れ能力を超える客を入れたらこうなることくらい容易に想像できるだろう? 金儲けに血走って、全く観光客の気持ちを考えていない! 入場制限をなぜしないのか?」とする非難が殺到している。

 

(「三清山」、2024年10月3日)

 

玉突き事故

2日、浙江省温州市のトンネル内外で「あわせて100台以上といわれる」の大規模な玉突き事故が発生した。
現場は大混乱となり、いまのところ、死傷者は不明。

事故のきっかけは、恣意的な路線変更が引き起こした衝突事故で、雨天で路面が滑りやすかったことも災いして後続車が次々と追突したとしている。

玉突き事故の現場の様子、2024年10月2日、浙江省温州市(SNS投稿動画よりスクリーンショット)

 

玉突き事故の現場の様子、2024年10月2日、浙江省温州市(SNS投稿動画よりスクリーンショット)

 

(玉突き事故の現場の様子、2024年10月2日、浙江省温州市)

「高すぎる駐車料金」

4日、江蘇省南京市にある景勝地「鐘山風景区」の「駐車料金が高すぎる!」という話題が中国SNSウェイボー(微博)のトレンド入りした。

「7時間駐車したら駐車料金217元(約4600円)取るなんて、あんまりではないか! 周囲の駐車場は1日止めても69元(約1500円)しか取らないのに!!」と女性が駐車場管理員と口論する動画がSNSで拡散されて、物議を醸した。

中国メディアは同景勝地側の「料金は妥当だ」とする主張を取り上げて報道しているが、ネット上では「高すぎる!」と非難の声が殺到している。

「駐車料金が高すぎる!」と駐車場管理員と口論する女性(SNS投稿動画よりスクリーンショッ)

 

泊まる「公衆トイレ」

世界的に有名な景勝地「黄山(こうざん)」では、今年も、「大混雑するトイレ」の特有の現象が見られた。

周辺ホテルや民宿の料金高騰や「満室」により、宿泊する場所がない観光客は景勝地の飲食店や公衆トイレ、通路などで一夜を明かすのだ。

有名な景勝地「黄山(こうざん)」での混雑ぶり。画像(左)は黄山の「公衆トイレ」で夜を明かす観光客、画像右側は黄山のレストラン内の様子。2024年10月(SNSより)

 

変わった遊び「瘋遊

今回の長期休暇期間中には、若者の間で精神病患者が着る入院着を着て遊びに出かける「瘋遊」という遊びが大人気だ。

あるツアーガイドが公開した動画のなかには、実に楽しそうに遊ぶ「瘋遊」項目の参加者たちの姿があった。「病人たちよ、集合~」の号令を聞いた若者たちは全員入院服に着替え、集団で芝生の上を転げ回ったり、そしてダンスしたり、奇妙な動きをして、とにかく楽しそうに遊んでいたのだ。

若者の間で急に流行り出したこの怪現象をめぐっては、「瘋人(狂人)のように人の目など気にせず、あえて変な動きをして、普段縮こまっていた自分を全開にする瘋遊は確かにメンタルに良さそう、あまり人様に迷惑かけずに自分たちで楽しめるのもいいんじゃないか? 若者には息抜きが必要だ」といった包容的な意見もあるが、「この異常な現象は、現代中国の社会がいかに病んでいるかの状態を示す鏡」と考える人も少なくない。

 

 

 

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李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
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