大学宿舎で火災発生、学生たちが危険な避難体験を証言
中国山東省済南市にある公立大学「斉魯工業大学」の学生宿舎で10日、火災が発生した。
火災発生の突発事故に、本来ならば中にいる学生たちの避難を誘導する役割にある宿舎管理員、しかし、この時、学生よりも先に、それも1番に外へ逃げ出したのはその宿舎管理員と学生たちはいう。
火災発生を知らせる「警報機」の音は聞こえず、避難経路も閉ざされていた。学生たちは命からがら宿舎の出口のゲートまで逃げ出すも、外へ出るには1人ずつ「顔認証」を行わなければならなかったという。
現場では前も見えないほど煙が充満していたため、顔認証はエラーになり、出口はすぐそこなのに立ち往生の事態に泣き出す学生もおり、なかには一酸化炭素中毒になる人も出たという。
「宿舎から逃げ出して、出入り口の扉が閉まっていることがわかった時、ああ、ここで死ぬんだと思った」と事故の後に振り返る学生も。
火災を経験したある学生は、中国メディアに対し、「火災発生時は火災を知らせる警報機の音は一切聞こえなかった。煙があまりに充満していたため、上層階の学生は下へ行くことは、もはやできず、ベランダに出て救援を待つしかなかった。一部宿舎出入り口までたどり着いた学生たちは顔認証ゲートのところで詰まり、立ち往生した」と訴える。
火災の後、学校職員は「死傷者はいない」と主張している。いっぽう、「多くの学生が病院で治療を受けている、なかには一酸化炭素中毒になった人もいる」と学生たちはいう。
また、「なぜ火災になったのか」、そして「なぜ管理員は学生たちが逃げられるよう、宿舎の扉を開けなかったのか」といった世論が注目する問題に関する学校側の説明はなかった。
なお、学校側は、「宿舎管理員が真っ先に逃げた」という学生たちの「告発」については否定している。
火災後、学校側は「学生全宿舎はカーテンを取り外せ」と命じた。
これに対し、「学校は頭がおかしいのか? 火災になったのはカーテンのせいか? なぜブレーカーや電気線路のメンテナンスをしない?」とSNSに不満をぶつける同校学生も多い。
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