中国内モンゴルのビル火災 死者1人発表に批判 大規模炎上映像と食い違い

2025/12/11 更新: 2025/12/11

インターネット上に投稿された映像には、中国内モンゴル自治区フフホト市の商業ビルが下層から上層まで激しく燃え上がり、巨大な火柱のようになっている様子が映っている。しかし、当局の発表は「1階で発火」「死者1人」にとどまり、情報隠ぺいではないかとの疑念が広がっている。

複数の動画によると、火災は12月9日未明に発生。高層ビルの下層から屋上近くまで炎が一気に広がり、火勢が建物全体を駆け上がるように燃え、焼け落ちた破片が次々と落下する様子も確認された。

ある映像では、午前3時頃とみられる時刻に男女が会話する様子が記録されている。出火したのは高層の商業・住宅複合で、上階には住民が居住しており、隣接して住宅棟もあるという。2人は「(ビルの)中にまだ人がいる」「ここは住宅ビルだから、誰もいないはずがない」などと話している。

フフホト市消防当局は同日、午前2時14分に海亮広場の「1階にある焼き肉店から出火」、「午前3時26分に鎮火」、死者は「1人」と発表した。

この発表について、ネット上では「信じるかどうかではなく、黙って受け入れろと言っているようだ」など、皮肉を交えた批判が相次いでいる。

中国本土メディアによると、火災はビル1階の焼き肉店で深夜に発生。当時、多くの住民が就寝しており、初期消火が間に合わなかった。店内のテーブルや椅子、食品包装、装飾材など大量の可燃物が火勢を強め、短時間で制御不能になったという。

現場を目撃した市民によると、炎は壁面の装飾材を伝って上階へ一気に広がり、濃い煙を巻き込みながら建物全体をのみ込んだという。深夜の空には炎が立ち上り、周囲を明るく照らしていた。

濃煙と高温は短時間で各階に広がり、住民は睡眠中に目を覚まし、薄着のまま避難した。フフホトの夜間気温は氷点下であり、逃げ延びた住民たちは寒風に震えながら、自宅が炎に包まれる光景を見つめることとなり、一夜にして住まいを失った人も多かった。

一方、火災から避難できなかった住民がどれほどいるのかは、現時点で明らかになっていない。

新唐人
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