香港・大埔区で発生した大規模火災をめぐり、火災の要因についての真相究明を求める声が再び注目を集めている。
この火災では多数の住民が犠牲になったとみられているが、正確な死亡者数はいまも明らかにされていない。
当局の発表は実態より大幅に少ない可能性があり、犠牲者はその数倍から10倍にのぼるとの分析も出ている。情報が抑え込まれているとして、当局による隠蔽を指摘する声が根強い。
こうした中、12月14日午後、香港・沙田競馬場で開催されていたロンジン香港国際競走の最中に、1人の男が行動に出た。男は火災の調査を求める横断幕を手に、レース終盤のコース内へ立ち入った。
当時はメインレースの一つである香港カップが行われており、馬がゴールへ向かって走っていた。係員数人がすぐに駆け寄り、男を取り押さえて地面に押さえ込んだ。馬と騎手全員が安全に通過した後、男はコース外へ連れ出された。レースは大きな事故に至ることなく続行された。
この場面を目撃した観客の中には悲鳴を上げる人もおり、現場で撮影された映像はSNSで急速に拡散した。横断幕には、大埔区で起きた大規模火災の調査を求める内容が書かれていたとみられている。
香港ジョッキークラブは、事件は警察に委ねており、コメントは控えるとしている。
一方、ネット上では、忘れられかけていた火災事故を思い起こさせたとして、この男性の行動を支持する声も広がっている。
火災の真相はいまも明らかにされておらず、遺族の怒りと悲しみだけが時間の中に取り残されている。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。