【閲覧注意】本記事には、残虐な映像や画像があります。ご注意ください。
経済不況による失業の波が中国全土に拡大していくなか、職にありつけず、生活を維持することができない人が増えている。
生活苦に加え、長年、中共政府下で不公平な仕打ちを受けてきた恨みも募り、精神的に崩壊し、無差別殺人などの方法を使って社会への報復を行う事例が、相次いでおり、特にこの数か月、爆発的に増えている。
社会報復事件のなかには、刃物を手にした犯人が街中で手当たり次第に人を切りつけていくケースもあれば、学校内で無差別に生徒を傷つけるケース、自動車で横断歩道に突っ込み通行人を轢くケースなどがある。
今回、報道するのは、高所から物を投げるといった社会報復の方法だ。
「天から降ってくる包丁」
21日、重慶市にある集合住宅の高層階から中華包丁が投げ落とされる凶悪事件が起きた。投げたのは75歳の男で、包丁は歩行者の肩に当たり、歩行者は傷を負った。
事件は市民によるSNS投稿で発覚し、拡散された。
世論のプレッシャーを受けたのか、現地の公安当局は事件発生から4日後(25日)になってようやく通告を発し、「容疑者逮捕」を伝えた。
動機については、ネットの情報によると、「容疑者の男は社会に報復をしたいと思い、誰でもいいから傷つけようとしたが、他人を傷つける体力もなく、また自動車を運転することもできず、ビルの高層階から包丁を投げ落とした」という。
社会に報復しようとして高所から物投げる事件は過去にも起きている。
昨年6月、吉林省長春市で高層ビルから投げ落とされたレンガが頭に当り、歩行者の女性が死亡する事件が起きている。犯人の男(死刑判決)は、長く職を見つけられないことを恨み、社会報復をしようとして、繰り返し高層ビルから地上の市民に向けて様々なモノを投げてきたという。
犯人の周は「人生がうまくいかないため、当初はビルから飛び降りて自殺するつもりだったが、その勇気がない。死刑になりたくて、高所から物を投げることにした」と供述している。
広がる不安
「ナイフ落とし」の件をめぐり、ネット上では嘆きの声が広がっている。
「あの国の人みんなヤバイ」
「室内にいたらいたで手抜き工事のせいで下敷きになりかねない、ショッピングモール行ったら床が抜けるかもしれないし、飛び降り自殺の巻き添えになるかもしれない、かといって外に出たらそれはそれでどこから暴走車が突っ込んでくるかわからないし、天からナイフが降って来る可能性だってある。もうどこで巻き添えになって死ぬかわからない」
このほか、「世界一安全な国(中国の外務部が自国について『世界で最も安全だ』と自慢していたため)」というお決まりの皮肉、そして、「あなたに苦難をもたらしたのは政府だ。無関係な人を巻き込むな、政府に立ち向かえ」といった声も多く寄せられている。
「政府に立ち向かえ」のセリフは無関係な市民が巻き込まれる社会報復事件などのトピックスに、コメントとして、必ずと言っていいほど、寄せられるものだ。
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