文科省  アストロスケール社に追加補助 宇宙ごみ除去支援

2024/12/26 更新: 2024/12/26

文部科学省は18日、宇宙におけるデブリ(宇宙ゴミ)除去サービスを提供しているアストロスケール社(本社:東京都墨田区、代表取締役社長 加藤英毅、以下「アストロスケール」)に対して、追加の補助金を出すと発表した。政府は同社にすでに最大26億9千万円を補助しているが、これに最大63億1千万円を追加する。

アストロスケールはスペースデブリの除去サービスの開発、提供している民間企業で、昨年10月、文科省から最大26億9千万円という額の支援を受けた。同社は自社の人工衛星 ISSA-J1を使用し大型の衛星デブリを対象に接近と観測を行っており、大型の衛星をデブリとして見なして、近距離での映像撮影・診断するというミッションの開発・実施などを行っている。期間は最長2028年3月までとなっている。先月30日には、宇宙空間でデブリから約15メートルの距離まで接近することに成功した。

同社のミッションは政府の軌道上の衛星を除去する技術開発する3つのミッションの事業フェーズのうち、機体の基本設計等を実施したフェーズIから、詳細設計や衛星組立、地上試験、運用準備等を行うフェーズIIへ移行する。それに伴い、今回、最大63.1億円の支援がなされる。

軌道上にある不要な人工物体(宇宙ゴミ)スペースデブリはおよそ時速2万8千kmという猛スピードで地球の周りを飛んでいる。2009年、アメリカの通信衛星イリジウムとロシアの使用済み軍事衛星が衝突し、大量の破片が発生した。また、こうして生まれた破片が新たなスペースデブリとなり、他の人工衛星と衝突することで人工衛星の故障と新たなスペースデブリの発生を再度引き起こすという悪循環が懸念されている。

2020年には、H2Aロケットの保護カバーが原因不明の分裂を起こし、その破片の一部が国際宇宙ステーション(ISS)近傍に到達した。

JAXAによるとスペースデブリは、現在地上から追跡されている10㎝以上の物体で約2万個、1cm以上は50~70万個、1mm以上は1億個を超えるとしている。現在、スペースデブリは増加の一途をたどっており、将来的には人類の宇宙活動の妨げになると予想されている。大量に存在するスペースデブリについて早急な対策が求められる中、宇宙デブリの減少に向けた革新的な技術の確立が期待されている。

大道修
社会からライフ記事まで幅広く扱っています。
エポックタイムズ記者。大学では地理学を専攻。主に日本の時事について執筆しています!
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