防衛 オランダ政府「安全上のリスク」を理由に規制を拡大

オランダ 米国に追随して半導体装置の輸出規制を強化

2025/01/16 更新: 2025/01/16

オランダ政府は、4月1日から先端半導体装置輸出規制を拡大すると発表した。政府の発表では、アメリカの輸出規制には詳しく触れていないが、これらの規定は昨年12月にアメリカが発表した措置と一致する。

1月15日、オランダ政府はASMLなどの企業に対し、特定の半導体製造装置を輸出する際に、追加の輸出許可を申請するよう求めた。

新しい規制は世界有数の半導体製造装置メーカー、ASMLが生産する特定の計測・検査装置に適用され、4月1日から施行される。これらの装置は、チップ内の微小な欠陥を監視し、エッチングの測定システムを改善するためのものと考えられている。

情報筋によれば、オランダの声明ではアメリカの輸出規制には言及していないものの、これらの措置は昨年12月にアメリカが発表した規定と一致している。

これに先立ち、アメリカは技術輸出制限リストを更新し、計測機器やソフトウェアツールを含む、中国を中心とした多くのチップ工場に制限を課した。

オランダのライネッテ・クレーヴァー外国貿易・開発大臣は、「これら特定装置の管理されていない輸出に関して、より多くの安全上におけるリスクが見つかった」と述べた。

クレーヴァー氏は、「半導体産業は国際的であり、オランダはその中で独自の役割を果たしている。重要なのは、チップ製造業に不必要な混乱を引き起こさないことだ。そのため、この輸出制限計画をできる限り精密に策定した」と語った。

ASMLの広報担当者は、オランダ政府の新しい規制が、事業に追加的な影響を与えることはないと予想している。昨年12月、同社はアメリカの最新措置が、2025年の売上に影響を与えるが、長期的な目標には影響しないと述べていた。

ASMLは、世界で唯一の先端露光装置(リソグラフィ装置)メーカーで、ハイエンドチップ製造に不可欠な装置を生産している。しかし、アメリカ主導の輸出規制により、同社は最先端の極端紫外線(EUV)露光装置を中国に販売できない。

昨年、バイデン政権の圧力を受け、オランダ政府も深紫外線(DUV)露光装置の中国での販売を制限した。DUVはEUVに次ぐ最先端のチップ製造装置である。

これらの装置が他の技術と組み合わさることで、軍事応用に重要な先端半導体を生産できる。アメリカ政府は、中国共産党の軍事・技術的野心に対抗するため、オランダや他の同盟国に対し、中国への包括的な輸出規制の実施を推進してきた。

2023年、オランダは初めて半導体装置の輸出許可要件を発表し、その後数回にわたって範囲を拡大した。

ASMLの第3四半期の売上高の中で、中国は27.9億ユーロ(約29億ドル)を占め、ほぼ半分に達した。同社は、今年の中国での売上高が総収益の約20%になると予想している。

陳霆
関連特集: 防衛