ソフトバンクグループ(SBG)とアメリカOpenAIは、日本国内で人工知能(AI)開発向けのインフラ整備に乗り出す方針を明らかにした。全国にAI開発用データセンターを建設し、電力需要を賄う発電施設の併設も計画している。1月にトランプ米大統領が発表したアメリカ向けAIインフラ投資「スターゲート・プロジェクト」の日本版と位置付けられる。日本経済新聞が報じた。
両社は2月3日、東京都内で日本企業500社以上を集める会合を開催する予定。運輸・製薬・金融・製造・物流など幅広い業種に対し、各社が保有する産業データを活用した生成AIの共同開発への参加を要請した。AIモデルの高度化には大量のデータが必要なため、日本企業が蓄積してきた専門知識や生産・物流情報の活用が鍵とみられる。
SBGの孫正義会長兼社長とOpenAIのサム・アルトマンCEOは3日夕方、首相官邸を訪問し石破茂首相に面会。AI構想の詳細を説明するとともに政府の協力を求める見通しだ。この構想は、アメリカで進める4年間で78兆円規模の「スターゲート・プロジェクト」と連動するものだ。
一方、巨額投資をめぐっては課題も浮上している。米テスラCEOのイーロン・マスク氏は1月22日、X(旧ツイッター)で「ソフトバンクは100億ドル以下の資金調達しかできていない」と指摘し、プロジェクト実現性への疑念を表明。これに対しアルトマンCEOは「事実誤認だ」と反論するなど、議論が続いている。
SBG側は資金面で柔軟性を確保するため、複数のファンドと出資交渉を進めているとされる。
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