社会 FAAが原因調査を開始 空港運営に影響は最小限

日航機とデルタ機がシアトル空港で接触事故 けが人なし

2025/02/06 更新: 2025/02/06

2025年2月5日午前10時17分(現地時間)、アメリカ・ワシントン州のシアトル・タコマ国際空港で日本航空68便(成田発)のボーイング787-9型機が地上走行中、駐機中のデルタ航空1921便(プエルトバヤルタ行き)ボーイング737-800型機の垂直尾翼にJAL機の主翼が接触した事故が発生した。連邦航空局(FAA)が調査を開始しているが、現時点で負傷者の報告はない。

事故の経緯と対応 

空港運営会社によると、デルタ機は除氷待機中で142人の乗客を乗せた状態だった。日本航空機は乗客・乗員185人を乗せており、接触後は緊急対応チームが、両機の乗客をターミナルへ誘導した。現場は航空管制外エリアで、FAAは一時的に空港への着陸便を制限したが、午前11時までに通常運航を再開している。

映像記録と乗客の証言 

デルタ機乗客のジャッキー・パットン氏がX(旧ツイッター)に投稿した映像には、日本航空機の翼端が垂直尾翼に食い込む様子が記録されている。同氏は「激しい振動と金属音がした後、機長から衝突の事実が伝えられた」と証言。別の乗客はTikTokで「除氷中に機体が滑って接触した」と状況を説明している。

航空会社と当局の対応 

デルタ航空は声明で「他社機との接触を確認した。乗客・乗務員の安全を最優先に対応中」と謝罪を示した。日本航空は現地スタッフがFAAと協力して原因究明に当たっていることを明らかにした。FAAのデイビッド・シェパードソン報道官は「管制外エリアでの事故は極めて異例」と述べ、操縦システムや地上誘導手順の見直しが必要か調査すると表明している。

背景と今後の影響 

今回の事故は、1週間前にポトマック川で発生したアメリカン・イーグル機と軍ヘリの衝突事故(67人死亡)を受けた航空安全強化議論の最中に起きた。専門家の間では「混雑空港の地上管制システムに根本的な課題がある」との指摘が上がっており、FAAは調査結果を基に、国際空港の地上運用マニュアル改定を検討するとみられる。

大紀元エポックタイムズジャパン記者。主に軍事・防衛、安全保障関係を担当。その他、政治・経済・社会など幅広く執筆。
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