中谷元防衛相は14日の閣議後の記者会見で、2024年に中国共産党(中共)軍の艦艇が日本の南西地域周辺の海域を航行した回数が68回に上り、2021年の21回と比べて3倍以上に増加したことを明らかにした。この数字は、防衛省・自衛隊が確認した中共軍艦艇による太平洋と東シナ海の往来件数を集計したものである。
防衛省の発表によると、2024年には太平洋上で中共軍空母に搭載する戦闘機などの離着艦を約1200回確認した。また、中共軍機による日本領空の侵犯や、空母「遼寧」による接続水域の航行など、これまでになかった事案も相次いで発生した。
中谷防衛相は中共の軍事動向について、「深刻な懸念事項であり、法の支配に基づく国際秩序を強化する上で、これまでにない最大の戦略的な挑戦だ」と述べ、強い警戒感を示した。さらに、「日本周辺海空域における警戒監視活動などに万全を期しつつ、冷静かつ毅然として対応する」と語り、日本の対応方針を明らかにした。
中共軍の活動増加は南西地域に限らず、日本周辺全域で確認されている。統合幕僚監部の発表によると、2024年10月には延べ40隻の中共海軍艦艇の活動が確認され、前月の58隻に続いて活発な動きを見せている。
また、中共は空軍力の展開も強化しており、2024年度上半期(4〜9月)の航空自衛隊による緊急発進のうち、中共軍機に対するものは242回に上った。これは前年同期と比べて約60回減少しているものの、2013年度以降の平均的な水準にあるという。
一方で、日本は対話も継続している。2025年1月には中共軍東部戦区の代表団が日本を訪れ、防衛省・自衛隊と交流を行った。この際、日本側から中共軍の活動活発化に対する深刻な懸念を伝達したとされる。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。