中谷防衛相フィリピン訪問へ 中国を念頭に安全保障連携強化を目指す

2025/02/22 更新: 2025/02/22

中谷元防衛相は22日からフィリピンを訪問し、テオドロ国防相と会談する予定であることを明らかにした。この訪問では、中国の海洋進出を念頭に置いた安全保障面での連携強化が主要な議題となる見込みだ。

防衛省の発表によると、中谷防衛相は22日から24日までの3日間、フィリピンを訪問する。この訪問は、中谷防衛相就任後初めてのフィリピン訪問となる。

中谷防衛相は閣議後の記者会見で、「フィリピンは、我が国のシーレーンの要衝を占めるなど戦略的に重要な地域である」と述べ、防衛協力や交流の強化が重要な意義を持つと強調した。

特に、中国が東シナ海や南シナ海で海洋進出の動きを強めていることを踏まえ、法の支配に基づく国際秩序の維持に向けた安全保障面での連携強化を目指す考えを示した。

また、中谷防衛相は防衛装備品の移転や技術協力のさらなる推進についてもテオドロ国防相と協議する意向を明らかにした。これは、2014年に防衛装備移転三原則制定後、日本が武器禁輸政策を転換して以来、フィリピンへの防衛装備品輸出が進展していることを背景としている。

日本とフィリピンの防衛協力は近年急速に進展しており、2023年には日本が「政府安全保障能力強化支援(OSA)」をフィリピンに初適用し、沿岸監視レーダーの供与方針を決定している。

さらに、両国は安全保障に関する機密情報の交換を可能にする「情報保護協定」の交渉入りについても協議する見通しだ。この協定が締結されれば、周辺海域のレーダー情報共有が進むことが期待される。

今回の訪問は、インド太平洋地域における日米比の3か国連携の重要性をアピールする狙いもあるとされる。

中谷防衛相は「フィリピンとの間で様々な分野で防衛協力を強化していくことには、大きな意義がある」と述べ、今回の会談でテオドロ国防相との間で連携強化を確認したいとの意向を示している。

この訪問を通じて、日本とフィリピンの防衛協力関係がさらに発展し、地域の平和と安定の確保に寄与することが期待される。

大紀元エポックタイムズジャパン記者。主に軍事・防衛、安全保障関係を担当。その他、政治・経済・社会など幅広く執筆。
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