セブン&アイ・ホールディングス(HD)の創業家が検討していた自社株買収による非上場化計画が頓挫した。2025年2月27日、セブン&アイHDは創業家側から資金調達のめどが立たなくなったとの連絡を受けたと発表した。
この計画は、カナダのコンビニエンスストア大手アリマンタシォン・クシュタールからの約7兆円規模の買収提案に対抗するものだった。創業家側は約9兆円規模の資金を調達し、経営陣による自社株買収(MBO)を通じて会社を非上場化することを目指していた。
資金調達のため、創業家は伊藤忠商事やタイの財閥大手チャロン・ポカパングループ、アメリカの金融機関などに出資を要請していた。しかし、2025年2月27日、伊藤忠商事が出資の検討を「終了した」と発表。前日の26日には、タイの財閥大手も「日本の小売企業への出資に参加するつもりはない」との声明を出していた。
これらの出資見送りを受け、創業家側は非上場化計画の断念を余儀なくされた。セブン&アイHDは「創業家側から買収に関する正式提案に必要となる資金調達の目途が立たなくなったとの連絡を受領した」と明かした。
この結果を受け、セブン&アイHDの株価は一時12%以上急落した。今後、同社はカナダのクシュタールからの買収提案を受け入れるか、自社で業績回復を図るかを軸に検討を進めることになる。
セブン&アイHDは「カナダ企業からの提案を含めて、全ての戦略的選択肢を精査・検討してまいります」とコメントしており、今後の動向が注目される。
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