日本郵政 顧客情報不正流用問題で報告徴求命令

2025/03/19 更新: 2025/03/19

日本郵政グループが関与する顧客情報の不正流用問題が、深刻化している。総務省は、3月19日、親会社である日本郵政と日本郵便に対し、原因究明と再発防止を求める報告徴求命令を出した。この命令は、ゆうちょ銀行の顧客情報が事前の同意を得ることなく、営業活動に利用されていた問題を受けたものである。

2024年9月に初めて発覚したこの問題は、当初、かんぽ生命保険の販売目的で約155万人分の顧客情報が、不正に利用されていたことが判明していた。しかし、その後の調査で、投資信託や国債などの販売目的でも、情報が流用されていたことが明らかになり、不正利用された顧客数は、延べ約1000万人に上るとされている。

日本郵便は、ゆうちょ銀行の口座残高や取引履歴などの非公開情報をリスト化し、これを営業活動に活用していたと言う。この行為は、顧客の同意を得ずに行われたものであり、個人情報保護法や金融関連法規に、違反した可能性が指摘された。

この事態を受け、日本郵政グループは経営責任を明確化するため、増田寛也社長(日本郵政)や千田哲也社長(日本郵便)を含む14人の役員報酬を最大30%減額する処分を発表した。減額期間は2~3カ月間であり、グループ全体で、再発防止策を徹底する方針が示された。

問題の背景には、営業ノルマ優先の文化やガバナンス体制の不備があるとされ、また、金融庁もこの問題に関与し、保険業法違反について、調査と対応を進める予定だと言う。

大紀元エポックタイムズジャパン記者。主に軍事・防衛、安全保障関係を担当。その他、政治・経済・社会など幅広く執筆。
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