フジテレビの経営危機が深刻化している。一連の問題を受けてスポンサー離れが加速し、2月の放送収入が前年同月比で約9割減少したことが明らかになった。親会社フジ・メディア・ホールディングス(HD)は経営体制の刷新に着手し、日枝久取締役相談役が経営諮問委員会の委員を辞任した。
フジテレビによると、1月末時点でCMを公益社団法人ACジャパンの広告に差し替えた企業は311社に上った。2月25日現在、取引のあるスポンサーはわずか72社にとどまっており、通常400社以上と取引があることを考えると、異例の事態となっている。
27日の記者会見で、フジテレビの清水賢治社長は「2月の放送収入が前年同月比で約10%弱の水準にまで落ち込んでいる」と述べ、厳しい経営状況を認めた。4月以降の見通しについては「把握できていない」としている。
この影響を受け、フジ・メディアHDは2025年3月期の連結決算業績予想を下方修正した。広告収入が当初見通しから233億円減少し、純利益は従来予想の290億円から98億円に引き下げられた。
一方、経営体制の刷新に向けた動きも本格化している。フジ・メディアHDは27日、日枝久取締役相談役が経営諮問委員会の委員を辞任したと発表した。経営諮問委員会は、取締役の選任・解任や報酬などについて助言・提言を行う重要な機関である。
フジ・メディアHDの金光修社長は、役員体制のコンパクト化と若返りを進める方針を示した。「役員体制をコンパクトにすること、それから役員平均年齢を下げることなど、我が社にとってより良い体制にすべく進めていきたい」と述べている。
また、フジテレビは社長直轄の「再生・改革プロジェクト本部」を設置し、会食や会合のガイドライン策定、人権侵害に対する処分の厳格化などに着手している。フジ・メディアHDも全社外取締役による「経営刷新小委員会」を設置し、ガバナンス体制の見直しを進めている。
フジテレビの今後の動向は、メディア業界全体にも影響を及ぼす可能性が高い。スポンサーとの関係修復、視聴率向上策、組織改革など、複数の課題を乗り越えることができるか、引き続き注目される。
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