就職市場が未曾有の激戦状態となっている中国である。
3月1日、浙江省・杭州市で開かれた「春季就職フェア」は、求職者で大混雑した。
そこで、誰がやったかは知らないが、その就職フェアの会場写真と兵馬俑を並べた「比較図」がSNSに投稿され、大きな話題になった。
なお、兵馬俑(へいばよう)とは、古代中国で死者を埋葬する際に副葬された俑のうち、兵士や馬をかたどったもので、陝西省西安市の秦始皇帝陵兵馬俑が有名だ。
関連トピックスには、「西安兵馬俑」にちなんで、杭州の就職フェアを「杭州牛馬俑」と揶揄するコメントが目立ち、「悪いがとても笑えない、だって私もその『牛馬』だから」といった共鳴のコメントが多く寄せられている。
中国語で「牛馬(二ウマー)」は、文字通り家畜の牛と馬の意だが、文脈によって、生活のために、牛馬のようにこき使われる人間を指すときもある。
中国にも一応「労働法」たるものは存在するが、名ばかりで、実際労働者の権利は、全く保障されていない現状がある。そのため、企業に搾取される自分を「牛馬」と自嘲する労働者も少なくない。
後に、この中国の労働環境を辛辣に揶揄した「西安兵馬俑vs杭州の牛馬俑」の画像および関連トピックスに検閲のメスが入った。
ここ数年中国経済は下落し、不動産価格の下落、企業の倒産、高い失業率は中国人を悩ませている。これは中国共産党(中共)が政権を握った時、中共に希望を託した中国人の望んだことだったのだろうか。中共が政権を握ってから、100年経って見てみると、多くの中国人が、上のような家畜のような境遇に落ちてしまった。
共産党についての九つの論評【第三評】中国共産党の暴政には次のように記されている。
共産党の党是の一つは、私有制度を消滅させることであり、これは私有制度が諸悪の根源だと思っているからである。共産党が政権獲得の時には、私有制度の全面的消滅に励んでいた。しかしながら、改革開放に伴って、私有制度がまた中国に戻ってきた。今や憲法も私有財産の保護を規定している。共産党の目くらましから離れられれば、人は誰でも、55年来、共産党の統治は財産再分配の人間活劇を演出したに過ぎず、巡りめぐって、最終的には人の財産を己の私有財産にしたに過ぎない。

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