今もインターネットが厳しく規制されている中国。
中国共産党はネット検閲システム「グレート・ファイアウォール」を中国全土に敷き、政府に対する不利益な情報や中国に不利な国際的な情報などを全て遮断し、国民が国外の情報に接せないように封じ込めている。
その目的は、中国人に様々な「真相」を知られないようにするためだ。
「外」の情報を見るには通信を暗号化して検閲を回避する「VPN」と呼ばれるサービスを使用すれば可能になるが、使用するにあたって多大なリスクを伴う。なにしろ監視大国の中国である、「VPN使用」がバレれば巨額の罰金を伴う。なかには拘束されるケースもあった。
それでも、情報洗脳を受けている中国人に「世界の真相」を届けようと、「ファイアウォール」を突破すべく、有志ある華人たちは努力してきた。
中国のネット検閲を突破するソフトウェアの開発に関与した上海市の法輪功学習者である何氷鋼氏と張軼博氏は、6月に6年と5年の懲役刑に処された。
中国のサイバーセキュリティやネット検閲を回避する方法について伝えた同国の情報セキュリティの専門家の阮曉寰(げん ぎょうかん)氏は2021年5月に警察によって自宅から連行されて以来行方不明になり、昨年3月になって秘密裁判にかけられ「国家政権転覆扇動罪」で7年の禁錮刑などに処されていたことが判明した。

「中国のファイヤーウォールを壊せ」運動の発起人の喬鑫鑫(きょう きんきん)氏も昨年4月、滞在先のラオスで中国共産党(中共)の越境逮捕に遭い今も中国で投獄されている。喬氏は米国政府系メディア「ラジオ・フリー・アジア(RFA)」の元ジャーナリストだった。

「中国のファイヤーウォールを壊せ運動」発起から2周年
「中国のファイヤーウォールを壊せ(拆牆運動、#BanGFW)運動」から2周年を迎えた今月、米ロサンゼルスの中国大使館前で在米華人らによる抗議活動が行われた。
集会では運動発起人である喬鑫鑫(きょう きんきん)氏の釈放と中国人民が自由を得られるよう、ファイヤーウォールの撤廃を呼び掛けた。

集会参加者らは、中共による言論弾圧に抗議の声を上げ、口々に「共産党の嘘は長くはもう続かない」と訴えた。
以下がエポックタイムズ姉妹メディア・新唐人テレビの取材に応じた一部参加者の声だ。
かつて中国で建設業のプロジェクトマネージャーを務めた梁振華氏は、「ネットで自由に意見を表明しただけで罪に問われる人々が大勢いる」と指摘。「私は彼らを代表し、ここで声を上げる」と語気を強めた。

中国民主党の燕飛氏(美西党部常務副主席)は、「中共は国民が真実を知ること、そして外国に政治的な闇を知られるのが怖いのだ。しかし、壁は必ず崩れる。中国国民は目覚めつつある」と訴えた。

同じく中国民主党の胡月明氏(美西党部副主席)も、「国民がより多くの真実を知ることで、共産党の醜悪な本性とその罪が暴かれる」と強調した。

「14億人に真実を」
イベント責任者の全録軍氏は、「中共に騙されないよう、14億人の中国人に真実や歴史の真相、そして中共が犯した数々の罪と欺瞞を知ってもらいたい」と訴えた。

かつて中国で証券アナリストだった盧振華氏は、「中共が存在する限り、中国の苦難は続く。海外にいる我々も含め、中共政権の邪悪さを認識し、一致団結してその邪悪な政権を打倒しよう」と呼びかけた。

中国で建材会社を経営する丁多氏は、「ファイヤーウォールが崩れ、中国内に真実で自由な声が広がれば、中共はそのウソを続けられなくなる、そうすれば、嘘で築かれた体制はもろくも瓦解するだろう」と語った。

集会に参加した人々は、「中国人が真相を知り覚醒したときこそ、中共政権が終焉を迎える瞬間だ」と口々に語り、自由と真実への願いを新たにした。
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