日本ウイグル協会と国際人権NGO「ヒューマンライツ・ナウ(HRN)」は16日、ウイグル問題をめぐる日中企業の関係に関して、衆院議員会館で記者会見を行った。
記者会見には、日本ウイグル協会のレテプ・アフメット会長やHRNの伊藤和子副理事長、自民党の高市早苗前経済安全保障担当相、古屋圭司元国家公安委員長らが出席した。

会見では、日本ウイグル協会とヒューマンライツ・ナウが日系企業と日本進出している中国企業計41社を対象に、米国の「ウイグル強制労働防止法」が輸入禁止対象として指定する中国企業との取引関係について調査を行ったと報告した。
結果、8割の企業(日系企業30社、日本進出の中国企業4社)がウイグル強制労働問題に何らかの形で関与していることが確認されたと明かした。
米欧でウイグル問題に関与及び加担している企業に対する輸入禁止措置などの対策が取られる中、日本が制裁逃れの穴場として利用されるリスクがあるとしている。
こうした現状について、日本ウイグル協会のアフメット・レテプ会長は、「欧米で制裁が進む中、制裁の対象にならない日本にどんどん切り替えてしまう。日本の企業と価値観が中国の悪行によって汚れていくということにつながる」と訴えた。

HRNの伊藤和子副理事長は、「強制労働は現代の奴隷制だ」と指摘。その上で「取引関係を日本企業は断ち切っていく必要がある」と述べた。
日本ウイグル国会議員連盟の副会長を務める高市早苗氏は「ウイグルの方々だけではなく、日本の国益を考える上でも重要である」と語った。また、「個人的に米国法(ウイグル強制労働防止法)のような形の法律があった方がいい」と述べた。

ただ、日本国憲法は、第22条において「何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する」と規定し、職業選択の自由を保障している。これを踏まえた上で、高市氏は「ことは人権問題である。なので、これは法律にしても違憲にはならないと考えている」との見方を示した。
日本ウイグル国会議員連盟の会長を務める古屋圭司氏は、ウイグル問題をめぐり中国共産党側から自身が脅迫を受けたと明かし、こうした脅しがあっても「(中共に)はっきりもの言う。忖度する必要は全然ない」と話した。

また、「毅然たるスタンスで対応していくのが民主国家の国会議員の役割ではないか」と述べ、議員らがウイグル問題に向き合っていく必要性を強調した。
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