5月18日夜、中国武漢市の串焼き屋台で銃撃事件が発生した。銃声は5発、3人が撃たれ、うち1人は頭部を撃たれて即死した。現場は公安局の目と鼻の先だった。
エポックタイムズの取材に応じた複数の市民によれば、犯人は自転車で現場に現れ、食事中の男らに発砲後、逃走。動機は被害者に息子を陥れられ、獄死させられた父親の復讐であり、使用されたのは米軍仕様の拳銃M1911・コルト・ガバメント、発砲者は訓練を受けた人物だという。
被害状況についても食い違いがある。「2人が即死」と多くの目撃者が証言する一方、当局は「1人死亡、2人は命に別状なし」と発表している。また事件についても、「故意傷害」とだけ伝え、「銃」という言葉には一切触れていない。
いっぽう、ネット上では事件関連の動画や検索ワードが次々と削除され、情報統制が露骨に行われている。
現場の様子。(こちらをクリック)※閲覧注意
中国では日本と同様、原則として一般市民の銃所持は全面禁止されており、合法的に銃を持てるのは軍や警察などごく一部に限られている。しかしその厳しい管理体制の一方で、闇市での銃取引や違法製造・横流しが後を絶たないという実態があり、とりわけ注目されているのが、公安関係者自身が関与している可能性だ。
そのため、今回のように訓練を受けた者が正規の銃を用いた事件が都市部で発生したとなれば、民衆の不安と社会不信は一気に加速する。そのため当局は、あらゆる手段で「銃」の存在を隠蔽しようとしているとみられる。
政権が恐れるのは銃そのものではなく、「銃が存在する」という現実を民衆が知ることなのかもしれない。銃声よりも恐ろしいのは、すべてを沈黙させるこの国の統治スタイルそのものである。
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