中国では就職差別が根深い社会問題となっているが、5月中旬、広東省深圳市で「容姿が理由で不採用にされた」という女性(陳さん)の訴えがネット上で波紋を呼んでいる。
陳さんが応募したのは文員職(事務職)で待遇は月給2~3千元(約4~6万円)だ。しかし、企業側から返ってきたメッセージは「不行,太醜了(ダメだ、ブスすぎる)」という一言だったという。
その一言を見て、女性は怒りと悲しみで「言葉が出なかった」という。
女性の境遇はSNSで瞬く間に拡散され、同情の声が多く寄せられると同時に、企業側の無礼な対応に対する非難も殺到。
中国メディアによる報道によると、問題の企業の責任者は「あれは部下の返信だから気にするな」「見なかったことにして」といった事実を軽視する発言をしており、問題への誠意ある対応は見られていない。
中国では以前から「年齢制限」や「容姿・性別による選別」などの差別が横行しており、就職活動において表面的な条件だけでふるいにかけられるケースが後を絶たない。
今回の騒動はその氷山の一角に過ぎず、「努力や能力より顔が評価される国」と揶揄する声も上がっている。
差別に沈黙する社会が変わらない限り、誰もが「次の被害者」になり得る現実が続くだろう。

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