6月7日、中国で全国統一大学入試「高考(ガオカオ)」がスタートし、1335万人の受験生が、未来を賭けて試験に臨んだ。中国ではこの試験が“人生の分岐点”とされるだけに、毎年、親たちの験担ぎにも熱が入る。
試験会場の外には、今年もチャイナドレス姿の母親たちが姿を見せた。この風習は「旗開得勝(=またたく間に勝利を得る)」という縁起の良い言葉にかけたもので、特に緑のチャイナドレスは「一路緑燈(=道中すべて青信号)」とされ人気だ。
さらに今年は、「紫腚行(紫のお尻は成功する)」という語呂合わせのおかげで「紫色の下着(パンツ)」がECサイトで爆売れし、話題になった。
親子3人でおそろいの紫パンツを着用するという家庭も現れ、なかには「✔」マークのナイキグッズは「全問正解」の象徴としてお受験の縁起服となっている。
また、ひまわりの花には「一挙奪魁(=一発でトップを取る)」との願いが込められ、入試当日は手にひまわりの花を持って子どもを出迎える親があふれた。
こうして、中国の「験担ぎ」は衣類だけでなく、言葉遊びに基づいたグッズ全般に広がりを見せ、一部は「オカルト・ファッションショー」と化している。
背景には、深刻な教育競争と雇用難がある。試験の成否が人生を左右するというプレッシャーの中で、親たちはわずかな縁起にもすがりたくなるのだ。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。