自衛隊輸送機派遣へ 中東情勢悪化で邦人退避に備え

2025/06/19 更新: 2025/06/19

中谷元防衛相は6月19日の記者会見で、激戦が続くイスラエルとイランの情勢を受け、現地に滞在する日本人の退避に備えて、航空自衛隊のC2輸送機2機をアフリカ東部のジブチに派遣する方針を明らかにした。

同日午前、岩屋毅外相の要請を受けて、中谷氏が統合作戦司令官に対し、派遣を命令。輸送機は準備が整い次第、出発する予定。

中谷氏は会見で「海外にいる日本国民の安全確保は国の重要な責務だ」と述べ、迅速な対応の必要性を強調した。

外務省によると、現時点でイスラエルには約1千人、イランには約280人の日本人が滞在している。

6月13日、イスラエル軍はイランに対して広範な空爆と無人機攻撃を実施した。イスラエル当局は今回の作戦を「先制攻撃」と位置づけ、イランが核兵器の開発に近づいていることへの対抗措置だと説明している。

この奇襲攻撃により、イランの核施設や弾道ミサイル関連の施設が被害を受けたほか、複数のイラン軍高官や核科学者が死亡した。

これに対し、イランは即座に報復に踏み切り、弾道ミサイルおよび無人機による攻撃をイスラエルに対して開始。報復攻撃はすでに6日間にわたって続いており、一部のミサイルがイスラエルの防空網を突破して市街地などに被害をもたらし、死傷者も報告されている。

清川茜
エポックタイムズ記者。経済、金融と社会問題について執筆している。大学では日本語と経営学を専攻。
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