中共内部の事情に詳しい関係者の証言によれば、太子党の関係者らが連名で習近平の辞任を求める動きを進めている。専門家は、習近平が権力の掌握を弱め、党内の各派閥が権力をめぐって争いながら、国外へ意図的に情報を発信していると見ている。
6月17日、オーストラリア在住の学者・袁紅氷氏が大紀元とのインタビューで、太子党の家族ほぼ全員がある座談会に集まり、習近平の第21回党大会での再任を阻止するために建議書を連名で提出する計画を進めていることを明らかにした。
袁紅冰氏によれば、内部討論会では太子党の重鎮・孔丹が発言し、習近平の統治に関する複数の過失を列挙した。その内容には、「党天下」を「家天下」に転化した行為や、「戦狼外交」を強行した結果、鄧小平が描いた「一国二制度」による台湾統一の方針が破綻したことなどが含まれている。
米国在住の経済学者・李恒青氏は次のように語る。
「現在の中国では多くの噂が渦巻いており、誰もが巨大な権力構造が崩れ始めていると感じている。その中で紅二代や紅三代といった特権階層の人間たちが、自らの既得権益や先祖が築いた体制を守ろうとして動き出している」
2024年秋季に開催される予定の四中全会は未だに動きがなく、中国経済は引き続き悪化している。そして習近平の権力が弱まっているという噂が頻繁に流れている。
一連の動きを分析する声では、党内の各派閥が利益の確保を優先して行動し、習近平の統治が自身の立場を脅かしていると判断して辞任を求めているとされる。
オーストラリア在住の学者・李元華氏も、次のように指摘する。
「習近平が台湾への武力侵攻を試みれば、世界中からの制裁が発動し、紅二代が国外に移した財産にも重大な影響が及ぶ。彼らは共産党体制の崩壊後、子孫が安全に体制から離脱できるか、違法に得た資産を維持できるかを真剣に懸念している」
李元華氏は、紅二代による習近平の罪状列挙が、一部のエリート層における真意を代弁しており、習近平がその地位から排除される可能性もあるとの見方を示している。
経済学者の李恒青氏はさらに強調する。
「習近平はすでに社会全体の批判対象となっており、多くの人々が辞任を望んでいる。ただし、習近平が退いたとしても体制の本質は変わらず、別の太子党が権力を継承するに過ぎない。一党独裁を終わらせることこそ、中国が進むべき本当の道だ」
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