「核発言騒動」が国際社会の注目を集めている。
ロシアのメドベージェフ前大統領は最近、Telegramに投稿し、米軍によるイラン核施設への空爆を非難するとともに、「いくつかの国がすでにイランに核弾頭を提供する準備ができている」と主張した。具体的な国名には言及しなかったが、この発言はすぐに世界的な関心を呼んだ。
米国のトランプ大統領は23日、自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」に投稿し、メドベージェフ氏の発言に対して強く反論した。トランプ大統領は「メドベージェフが核爆弾を送ると言ったのを私は聞いたのか? 彼は“あのNワード(核)”を口にし、イランに核弾頭を提供する意向を示したのか? それとも私の妄想か? 本当にそう発言したのなら、すぐに教えてほしい。“Nワード”は軽々しく発するものではない」と述べた。
さらにトランプ大統領は皮肉を交えて、「これこそがプーチンが『ボス』と呼ばれる所以だと思う」とコメントした。
続いてトランプ大統領は、米国の核潜水艦こそが真の「切り札」であると主張した。トランプ氏によれば、米軍の潜水艦は最近、トマホーク・ミサイル30発を発射し、すべての弾が標的に命中したという。トランプ大統領はこの兵器を「人類史上最も強力で致命的な兵器の一つ」と評し、艦長および乗組員に謝意を示した。
では、メドベージェフ氏のいう「核弾頭の提供」は現実味を帯びているのだろうか。専門家の見解が分かれ道を示している。
「ビジネスインサイダー」は、国連軍縮研究所の専門家パベル・ポドヴィグ氏の見解を引用し、こうした発言が非現実的だと報じている。ポドヴィグ氏によれば、核兵器は即席で使用できる爆弾ではなく、専門的な人員による操作と特殊施設での維持管理が必要な複雑な兵器体系であるという。また、核兵器の譲渡行為は「核拡散防止条約(NPT)」に違反すると指摘した。
米国のシンクタンク「国家抑止研究所」のアダム・ローサー氏は、メドベージェフ氏が指している国として中国、ロシア、北朝鮮の3か国を挙げる可能性に言及している。ローサー氏は、たとえ象徴的に核爆弾を一発イランに渡すだけでも、米国およびイスラエルとの深刻な軍事衝突を引き起こすおそれがあると警告した。
さらにローサー氏は、米国は核爆弾の残留物を分析することにより出所を特定できるため、提供国は米国の軍事報復対象に含まれると見ている。
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