北大西洋条約機構 日本での事務所開設を断念

2025/06/25 更新: 2025/06/25

北大西洋条約機構(NATO)は6月24日、日本に連絡事務所を設置する計画について「現在はもう協議されていない」と明らかにし、事実上断念したことが分かった。NATO当局者が共同通信などの取材に対し認めたもので、今後は日本事務所の開設に向けた協議を行わない方針であるという。

NATOがアジア太平洋地域との連携強化を目指し、日本での事務所開設を検討していることは2023年に表面化した。これに対し、中国やロシアは強く反発し、フランスのマクロン大統領も開設に反対の立場を示していた。2023年7月には当時のストルテンベルグNATO事務総長が「将来検討することになる」と述べていたが、今回の発表により計画は白紙となった形だ。

NATOはこれまで、アジア太平洋地域の安全保障環境の変化を受けて、日本や韓国、オーストラリアなどとの連携を強めてきた。日本政府もNATOとの協力関係を重視し、事務所開設に前向きな姿勢を示していたが、加盟国間で意見がまとまらなかったとみられる。

今回の断念について、NATO当局者は「もう協議していない」と明言しており、今後再び議論が再開されるかどうかは現時点で不透明である。今後のNATOと日本の協力関係の在り方については、引き続き注視が必要だ。

大紀元エポックタイムズジャパンの速報記者。主に軍事・防衛、安全保障関係を担当。その他、政治・経済・社会など幅広く執筆。
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