参政党が参院選で歴史的躍進 「日本人ファースト」と「反グローバリズム」が支持拡大の原動力に

2025/07/21 更新: 2025/07/21

2025年7月20日投開票の第27回参議院選挙で、参政党は歴史的な躍進を遂げた。比例代表で1議席を積み増し、7議席を獲得。選挙区でも茨城・埼玉・東京・神奈川・愛知・大阪・福岡での当選を確実とし、選挙区7、比例代表7、合計14議席を確保した。

さらに、非改選の1議席を加えたことで参議院における議席数は15となり、同一会派のみで「11議席以上」となる基準を大きく上回った。これにより、予算を伴わない法案を単独で提出する権限を獲得した。なお、予算が伴う法案提出には「21議席以上」が必要であり、今後の党の拡大にも注目が集まる。

参政党が、なぜ有権者の心をつかみ、複数の議席を獲得するまでに至ったのか。その要因となった主な選挙公約や主張を整理する。

「日本人ファースト」を前面に

参政党は「日本人ファースト」を明確なスローガンとして掲げている。これは、日本国民のための政策を最優先する姿勢を示すものであり、経済や社会保障、安全保障など幅広い分野において、日本人の生活や価値観を守るための政策提言が中心となっている。既成政党による既成路線への不満を抱く層からの支持を集める要因となっている。

日本で唯一の「反グローバリズム」政党

また、参政党は設立当初より明確に「反グローバリズム」を掲げており、党の公式発信やシンポジウムでも「参政党は日本で唯一の反グローバリズム政党」と自称し、世界的な反グローバリズムの潮流にも共鳴すると述べ、日本国内の産業や主権、文化を守る立場を強調している。「グローバリズム全体主義」による国家の主権や経済の侵食、社会の分断に根本から反対し、日本人ファーストや国民国家の価値観を政策の柱に据える。

参政党の3つの柱と9つの政策

参政党は、日本人の未来と安全、そして豊かさを確保するため、「3つの柱」と「9つの政策」を掲げている。国民の生活と国家の在り方を根本から見直し、実行力のある改革を進める方針だ。

3つの柱

日本人を豊かにする

経済成長と所得向上を目指し、国民一人ひとりの生活の質向上を図る方針である。

日本人を守り抜く

安全保障や食料自給体制を強化し、日本の主権と国民の安全を最優先とする。

日本人を育む

教育政策や子ども支援を充実させ、将来の世代が安心して暮らせる社会の実現を志す。

9つの政策

集めて配るよりまず減税

税収を集めて再配分する従来の手法より、まず減税によって可処分所得を拡大し、経済活性化を図る。

勝つ産業で日本再興

競争力のある産業と技術に重点投資し、日本経済をグローバル市場で再興させる。

行き過ぎた外国人受け入れに反対

行き過ぎた外国人労働者や移民政策を見直し、日本人の雇用や治安を守ることを重視する。

米の確保と食の安全

主要食料である米の生産と供給体制、そして全体の食の安全保障を強化する。

GoToトラベルで医療費削減

観光振興策「GoToトラベル」を活用し、健康増進による医療費の削減を狙う。

金儲け医療・WHOパンデミック条約に反対

医療分野での過度な営利主義や、WHOが進めるパンデミック条約への慎重な姿勢を示す。

偏差値重視の管理教育を廃止

個性や才能を活かす教育に転換し、画一的な偏差値偏重型の教育制度を廃止する。

子供一人につき月10万円

少子化対策として、子ども1人あたり月10万円の給付を掲げている。

憲法づくりで政治に哲学を

現行憲法の見直しと新たな憲法制定を通じて、国家運営に哲学と理念の導入を目指す。

 

議席獲得と今後の展望

今回の参院選では、比例区や都市選挙区で初当選者を出し、獲得議席は当初の目標を大幅に上回った。特に、激戦区の東京などでも存在感を示し、これまで政治に距離を感じていた層や、既存政党に不信感を抱く層から一定の支持を集めている。

参政党は現段階では政権与党入りを否定し、まずは影響力のある議席数を獲得し、既成政党の政策に対するカウンターパートとしての役割を強調している。

参政党の台頭は、現行路線やグローバル化に対する疑問が広がる中で、「日本人の生活や価値観を最優先に」という明確なメッセージが広範な有権者層に響いた結果と言える。

党内外へのインパクト

参政党は「日本人ファースト」や減税政策、外国人政策の見直しを掲げてきた。その訴求力が従来届かなかった都市部や比例区での支持拡大につながり、新たな政治勢力として強い存在感を示した。

本選挙での議席増により、参政党は参議院での法案提出権限を獲得し、今後国政へ直接的な影響力を持つ政党へと成長を遂げた。

▶大紀元EPOCH TIMES JAPAN編集長 ▶「日本の思想リーダーズ」「THE PARADOX 真実のへ扉」番組ナビゲーター 、「大紀元ライブ」番組ホスト。
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