険しい断崖に広がる荘厳な石窟群は、馬蹄寺(ばていじ、中国甘粛省)だ。
その門前道路を通過するだけで、一人300元(約6千円)の「通行料」を徴収していたとして、SNS上で非難が殺到した。この金額には入場料は含まれず、あくまで「通過のみ」に課されたものだった。
観光地側は、県道208号線と地方道334号線に徴収ポイントを設け、通行する観光客から一律料金を徴収し、実際に支払っても観光地には入れず、中に入るには別途約1800円の入場料が必要で、ネット上では「これはもはや強盗だ」と怒りの声が相次いだ。
世論の高まりを受け、現地当局も「不適切かつ違法な徴収」と認め、観光地側に是正を指示した。しかし、「違法と認めるなら金を返すべきだ」との批判は収まらない。
国家4A級(最高ランクの5Aに次ぐ)の歴史ある観光地で起きた今回の騒動に、SNSでは「甘粛行きはキャンセルした」との投稿も。「観光で地方を活性化」と掲げてきた中国だが、信頼を損なう徴収体制では、その未来も揺らぎかねない。
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