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8月3日夕方、湖南省耒陽(らいよう)市で、数時間のうちに市内各地で無差別襲撃事件が相次いだ。本紙の取材に応じた複数の市民によれば、少なくとも10人以上が死亡したと述べているが、現地警察の公式発表は2人死亡、3人負傷となっている。
犠牲者の多くが子供で、現地では強い衝撃と不安が広がっている。
目撃者によれば、犯人は「誰でもよかったようだが、特に子供を狙っていた」とされ、現場には手足を切断された子供や即死した被害者の姿もあったという。

警察は31歳の段容疑者(男)を逮捕したとしているが、住民の間では「共犯が複数いるのではないか」との疑念が根強く、事件の全容は未だ明らかになっていない。また、「現在、事件はSNSのトレンドから意図的に外されている」との指摘も多く、当局による情報統制の可能性が強く疑われる。
(現場の様子、2025年8月3日、中国湖南省耒陽市)
経済と社会の崩壊が生む「爆発」 過去にも繰り返された惨劇
中国各地では近年、経済の悪化や社会的閉塞感の高まりを背景に、無差別襲撃や通り魔事件が頻発している。その多くが個人的な怨恨や蓄積したストレスを動機とし、無関係な人々を巻き込んだ「社会への報復」として突然現れるのが特徴だ。
今回の事件に限らず、中国ではこれまでも幾度となく無差別襲撃や社会報復事件が起きるたびに、SNS上には「人混みを避けよう」「またどこかで何かが起きるかもしれない」といった不安の声が広がってきた。人々の間には「次は自分かもしれない」という危機意識が浸透しつつある。
見えない恐怖と猜疑心が、今日もまた、中国社会を静かに覆っている。


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