ロシアの大地震が引き金 カムチャツカで火山大行進 7火山が噴火

2025/08/07 更新: 2025/08/07

先週、ロシア極東のカムチャツカ半島でマグニチュード8.8の強震が発生し、それに続いて少なくとも7つの火山が噴火した。ロシア科学アカデミー極東支部・火山および地震研究所(RAS)は、この現象を過去300年間で初となる複数火山の同時活動と位置づけ、「火山大行進(parade of volcanic eruptions)」という異例の事態と見なしている。

同研究所の所長アレクセイ・オゼロフ氏は「極めて稀な現象」と断言した。

大地震は7月29日深夜に発生し、震源はカムチャツカ半島東方の海域であった。その後も余震が続き、8月5日朝には太平洋でマグニチュード6.0の余震を観測した。この地震は半島南部の地殻を東南方向へ押し動かし、一部地域では最大約2メートルの地殻移動が起こった。変形の規模は、2011年の日本大地震に匹敵すると評価している。

現在噴火中の火山には、カムチャツカ最高峰のクリュチェフスカヤ火山に加え、約600年ぶりに溶岩流を確認したクラシェニニコフ火山も含まれる。クラシェニニコフ火山は震源から240キロ未満の位置にあり、前回の噴火記録は1463年にさかのぼる。

2025年8月3日、クラシェニニコフ火山は雲に届くほどの火山灰の柱を吹き上げた。カムチャツカ半島に位置するこの火山は、約600年ぶりに活動を再開した。今回の噴火は、地域が史上最大級の地震に直面した数日後に発生している (Kronotsky Nature Reserve/AFP)

ロシアの地震学者はタス通信の取材に対し、火山活動と地震との間に直接的な因果関係があるとの見解を示した。オゼロフ所長は、「地震がマグマ貯蔵庫にエネルギーを供給し、火山活動を活発化させた」との認識を明らかにした。

アメリカ地質調査所(USGS)によれば、カムチャツカ半島には計29の活火山が存在し、世界でも屈指の火山活動地帯だ。今回の爆発によって、長らく休眠していた3つの火山も活動を再開した。

爆発は現地時間の8月3日午前6時に発生し、火山は大量の火山灰と溶岩を噴出した。ロシア非常事態省はただちに関係者を避難させた。現在、火山周辺に居住者はおらず、登山グループの接近も報告されていない。

今回の地震は、2011年以降で世界最大規模であり、発生直後には日本からハワイ、アメリカ西海岸にかけて津波警報が発令された。

李言
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