タイ検察 ビル倒壊で建設大手と中国企業を起訴 死者89人

2025/08/08 更新: 2025/08/08

タイ検察は8月7日、国家審計署ビル倒壊で建設大手や中国共産党(中共)国有企業など計23の個人・法人を業務上過失致死などで起訴した。

3月28日、ミャンマーでマグニチュード7.7の地震が発生し、その揺れはタイにも及んだ。バンコクにある30階建ての国家監査庁ビルがその後倒壊した。このビルは今回の地震でタイ国内唯一の倒壊建物となり、建築の品質に対する疑問がタイ当局内で高まった。

タイ検事総長事務所は7日、この事件が刑事裁判所に提訴され、数か月以内に判決が下される見込みだと明かした。

「捜査当局は、職務上の不正行為及び文書偽造の容疑で、23の個人および法人を起訴することに合意した」と検事総長事務所は述べた。

国家監査庁ビルは、タイ最大手の建設会社の一つであるイタリアン・タイ・デベロップメントと、中国共産党の国有企業である中国中鉄のタイ子会社、中鉄十局が共同で建設を請け負った。

起訴状には、建設法規違反および過失致死の疑いで16人の個人と7社が記されており、一部の法人代表者の名前も明記されている。彼らは建築規制違反および過失致死の罪に問われている。

タイ検事総長事務所のサッカセム・ニサイヨック報道官は同日の声明で、起訴された人物にはイタリアン・タイ・デベロップメントの社長プレムチャイ・カルナスタと、中鉄十局(タイ)の幹部が含まれていると述べた。

カルナスタら14人は、国家審査院ビル倒壊事件を受け、今年5月に警察に逮捕された際、全ての容疑を否認した。

バンコク首都警察局のシアム・ブンソム局長は以前、調査委員会が初期調査や証人聴取を行った結果、倒壊したビルの設計が当局の規制や業界基準を満たしていなかったと述べた。

調査では、エレベーターシャフトの壁が建物の中心に配置されておらず、後方寄りの位置にあったため、構造上のねじれ中心が幾何学的中心からずれていたとのこと。このズレにより、地震による揺れでエレベーターシャフトと基礎柱がほぼ同時に崩れ、ビル全体が垂直に高速で倒壊した。

さらに、がれきから採取したセメントサンプルが基準を満たしておらず、鉄筋も承認された施工計画とは一致していなかったことが判明。警察の鑑識部門は、公式文書に記載されていたある技術者の署名が偽造されており、確認済みの筆跡と一致しないことを明らかにした。

張婷