中国海警船 フィリピン船追跡中に制御不能になり 自国軍艦に衝突

2025/08/13 更新: 2025/08/13

フィリピン政府は11日、南シナ海・スカボロー礁付近の海域で船舶同士の衝突事件が発生したことを認めた。

「インクワイアラー」紙の報道によると、フィリピン沿岸警備隊のタリエラ准将は、衝突の場所はスカボロー礁の東およそ10.5海里地点だと述べた。

当時、中国海警3104号艦艇がフィリピン船「スルアン号」を高速で追跡し、右舷後方から危険な距離まで接近した結果、最終的に中国海軍の052D型駆逐艦「桂林号」に衝突した。この衝突で、中国海警船は艦首部分が大きく損傷し、航行不能になった。

フィリピン沿岸警備隊はフェイスブックで声明を発表し、この衝突は「漁民増収(Kadiwa)」作戦の最中に発生したと説明した。フィリピン側は「テレサ・マグバヌア」号、「スルアン」号、および「パママラカヤ」号を動員し、スカボロー礁付近で約35隻のフィリピン漁船の活動を支援していた。この間、フィリピン船はたびたび中国側船舶から危険な妨害を受け、MRRV 4406号は放水攻撃を受けたが、巧みに回避した。

声明によると、衝突後、フィリピン沿岸警備隊は中国側の負傷船員に医療支援を提供し、落水者も救助した。その後、MRRV 9701号が船員を安全圏まで護送し、燃料や物資の補給を行った。

8月6日、フィリピン大統領フェルディナンド・マルコス・ジュニア氏はインド訪問中に、台湾海峡で衝突が起きた場合、フィリピンは無関係ではいられないとし、台湾には約20万人のフィリピン人労働者がいるため、戦争が起きれば救出に関与せざるを得ないと語った。

中国外交部は8日に抗議し、地理的近接や自国民の多さが介入理由にはならないと主張した。そして、フィリピンに一つの中国政策を順守し、中国の核心的利益に関わる問題で「火遊びをするな」と要求した。

マルコス氏はこれに対し、中国共産党側の最近の批判について反論し、自分は事実を述べただけであり、北京の「火遊び」という指摘は理解できないと述べた。

「我々は戦争を望まないが、もし台湾で戦争が起きれば、望むと望まざるとにかかわらずフィリピンは巻き込まれる」と応じた。また、戦争が起きないことを願いつつも、事前の準備は必要であると強調した。

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